21世紀初のスーパー戦隊
百獣戦隊ガオレンジャーは21世紀を飾るスーパー戦隊第1作でもある。本作品はスーパー戦隊25作品目を飾る記念作として大きな期待も寄せられていた。
この作品ならではの特徴としてまず、テンションを上げるようなOP。前作のタイムレンジャーより取っ掛かりやすく、尚且つ歌いやすい仕様であり人気の楽曲の一つにもなっている。次にCGをふんだんに使った巨大ロボ戦。これにより、インパクトと戦闘シーンを大いに盛り上げ、視聴者の目を鷲掴みにした。今までは着ぐるみなどで演出していることが多かったが、今回からはCGが多く使われていた印象も残った。さらに戦闘においては初のマルチ合体機能を持ち合わせた巨大ロボの登場であり、いくつものパターンでの合体が演出として用いられ、視聴者の楽しみのひとつにもなっていた。この作品から現在の巨大ロボのスタイルが確立され、玩具の拡張性を与えたのではないだろうか。他にもメガレンジャー以来の携帯電話型の変身アイテムの登場により21世紀を象徴する要素のひとつにもなった。このころから中高生にも携帯電話が普及し始めたのを踏まえると、現代社会に合わせた作品の一面も持ち合わせていると考えている。
最大の魅力として、新しい要素を取り入れつつも多くの視聴者に受け入れられる王道路線を守り抜いてきたことが大きい。スーパー戦隊は好調な時代もあれば、苦戦した時代と様々な経験をしている人気シリーズでもある。その中でも今までとは違うエッセンスを取り入れたものも登場していたりもするが、やはり万人の視聴者に受け入れられるには王道路線、ベタな展開に返るであろう。ガオレンジャーはそれを体現した1作ではないかと考える。
10年以上も経過している作品ではあるが、1度視聴してみる価値があると考えており、昨今の特撮ものと渡り合えるポテンシャルを秘めたものに仕上がっている。
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