あなたはそこにの評価
あなたはそこにの感想
”世界で一番短い恋愛小説”
谷川俊太郎さんの詩「あなたはそこに」へ田中渉さんがイラストをつけて一冊の本にしたもの。ひとつひとつの言葉、ひとつひとつの挿し絵がとても良くて、何度も読み返している本。「あなた」は、語り手にとって恋人ではなく、友だちであるところがすごい。恋をしても、「あなた」はそれを笑いとばすし、お互いに結婚もする。短い言葉の中で、彼女の人物像が浮かび上がって、彼女との関係性もとても良いものだということが分かる。ほんとうに出会った者に別れは来ない。自分に置き換えて、自分にとってこんな存在の人はいるだろうか、自分はほんとうに出会っているだろうか、ということを考えさせられる、心に染みる物語。