ワイルド・ソウルの評価
ワイルド・ソウルについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
ワイルド・ソウルの感想
100点満点中200万点をあげたい作品。
これほどの本にはそうお目にかかれない。若者の活字離れ、出版業界は斜陽産業などと言われていますが、アラフィフの私は毎日必ず本を読む活字中毒者です。これまで相当数の色んな本を子供の頃から読んできましたが、私の人生において高校生の時に読んだ太宰治の「人間失格」以来の衝撃だったのが、この垣根涼介さんの「ワイルド・ソウル」でした。本当に寝食を惜しんで、ページを繰る手が止まらなく、途中は涙が止まりませんでした。この小説を手にしてから、本当に、一体何度読み返した事でしょう。こんな本に出会えるから、私は今も活字中毒なのでしょう。ストーリー、人物描写、すべてにおいて非のうちどころなし。この小説の核となっているのは、戦後、食糧難の日本の人口を減らす為に日本とブラジル政府が棄民政策を打ち出し、言葉巧みに楽園だと偽りブラジルへの移住を推進する。しかし、現実は用意されていると約束されていた耕地はなく、電気も水道...この感想を読む