よるくもの評価
よるくもについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
よるくもの感想
余計なものをすべて取っ払った時に残るものが必要なモノ
正しいことは誰にとっての正しいことなのか本当によく考えられた物語であると言える。貧富の差をただ描いているのではなく、貧しいところから成り上がっていく物語でもない。どこまで堕ちていったって、人が人であるということ、欲しいものが同じであることがビシビシ伝わってくる物語だ。お金を持っている人が住む「街」。貧乏とはいえ商売をしまっとうにお金を稼いで生きている「畑」。闇の仕事を専門に扱い人の命の重みが感じられない「森」。この3つの区域のある世界で、身分違いだったはずの男女が出会い、どのように心を通わせていくのか。それは単純な恋物語なんかじゃない。人がそこにいる限り、3つの区域は闇でつながり、お互いなしでは生きていけないということをダークに伝えてくれている作品だ。「畑」で飯屋を営むキヨコとその母親。女だけでも元気いっぱいに、ご飯を食べたいという人のためにご飯をつくる。キヨコは「森」の市場にもちょく...この感想を読む