さよならドビュッシーの評価
さよならドビュッシーについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
さよならドビュッシーの感想
物語構成、キャラクター、音楽の見事な融合
ミステリーの常套手段信用できない語り手(英語: Unreliable narrator)とは、誰かの独白や手記など一人称で語られる物語の手法を指します。代表的なところではアガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』。日本の作家であれば湊かなえの『母性』、降田天の『女王はかえらない』など、ミステリーファンであればいくつか思い当たるものがあるのではないでしょうか。本作『さよならドビュッシー』もこの手法に則って書かれたもので、最終的に語り手が入れ替わっていたというのが衝撃のラストに繋がってゆきます。では、信用できない語り手にはいくつか典型例がありますので、その内容から詳しく見ていきたいと思います。1.子供の語り手前述の『女王はかえらない』がこれにあたりますが、子供であるがゆえに経験や判断が正常にできておらず、結果的に読者を騙してしまうというパターンです。子供ならではの思い込み、子供だけの常識により、時として大人には理解...この感想を読む