少年は荒野をめざすのあらすじ・作品解説
少年は荒野をめざすは、集英社「ぶ～け」に1985年9月号から1987年9月号まで連載されていた、吉野朔実の少女マンガ作品である。単行本は集英社マーガレットコミックスから全6巻、文庫版は全4巻刊行されている。 吉野朔実の作品で「ジュリエットの卵」と並ぶ代表作として知られている。吉野朔実の交友関係に心理学者も見られることもあり、心理学的な内容も組み込まれた中に、非常に文学的な要素の強い、吉野朔実らしい特徴の作品である。主人公の15歳になる少女狩野都は(かりのみやこ)は、幼少時に病弱だった亡き兄と自分を同化したいがため、自分を男の子だと思って暮らしていた過去がある。兄を亡くした今も、代わりに成長し、兄が見るはずだった光景、体験するはずだったことを追う都は、ついに自分の中の少年であると確信する少年、黄味島陸と出会う。そんな中、都が兄との記憶を綴った小説が賞を受賞する。その小説のタイトルが、少年は荒野をめざすである。
