恐るべき子どもたちのあらすじ・作品解説
恐るべき子どもたちは、月刊セブンティーンの1979年5月号から同年8月号にかけて連載された萩尾望都の漫画で、単行本1冊分、約200ページの中編である。この作品は、フランスの芸術家ジャン・コクトーの代表的小説「Les Enfants Terribles(邦題:恐るべき子供たち)」を原作としている。 主人公は、第一次世界大戦後のパリに暮らすティーンエイジャー、エリザベートとポールの姉弟である。思春期特有の、混沌とした夢幻や無秩序に彩られた姉弟の生活と、彼らの閉ざされた世界が、ポールの憧れの少年ダルジュロスに代表される外界との接触によって崩壊していくストーリーが、美しく官能的なタッチで描かれている。 その芸術性の高さから「少女漫画の神様」とも評される萩尾望都は、2011年にこの作品を含む全作品について第40回日本漫画家協会賞の文部科学大臣賞を受賞し、2012年には少女漫画家として初の紫綬褒章を受賞した。