エッセイだけども読み物として、しっかり心に刻まれる一冊。
あの時の私も、この本の一部になっている。高山なおみさんが吉祥寺にKUUKUUという料理店を出していたのは、今から15年も前になることに、「日々ごはん」を今読み返しながら気づく。彼女を知るのは、吉本ばななさんのエッセイかブログによく、KUUKUUへ行ったという話が書かれていたからだ。中学の頃から、吉本ばななさんの本が熱狂的に好きでいたので、ミーハー心を思いっきり抱えながら、閉店間近のKUUKUUへ足を運んだ事を覚えている。そこで食べたチベット風餃子の、皮がぶりぶりした様子を忘れることはできない。その時は、高山なおみさんのことは頭のはじっこの隅にあって、その後何年も忘れてしまっていた。しかし、「日々ごはん」はKUUKUUが閉店する直前からの高山なおみさんの毎日が綴られており、あの素晴らしい味を出す背景の生活が書かれていた。なんとはなしに、その時期お店に行っていた自分も、この本に組み込まれているように感じるのだ。毎日...この感想を読む
4.04.0
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