パーマネント野ばらの評価
パーマネント野ばらについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が5件掲載中です。
各項目の評価分布
パーマネント野ばらの感想
美しい映像で滑稽で悲しい人間模様を描き出す
前提条件から、足元からガラガラと崩れてしまう2010年作品。吉田大八監督の作品ではじめて見たのは「桐島、部活やめたってよ」でした。タイトルにもある、皆の中心人物である肝心の「桐島」自身がとうとう最後まで映画に登場しないという非常にトリッキーな作品で、その変わった趣向を含めとても面白く見ました。その後「紙の月」も見て、遡って長編三作目となるこの作品。この作品も、やはり観る者がちょっと愕然とするような展開を含んだ作品になっています。この監督はいつもオリジナル脚本でなく原作のあるものを映画化する監督ですので、そういった「前提条件から、足元からがらがらと崩れてしまう」ような転換を含んだ物語に監督自身が心惹かれるのかもしれません。初期の2作は未見ですが、近作の3作においてはどれも作品のピークであり種明かしがなされた瞬間に、観る者は映画のはじめまでがーーっと遡って回想され、そこここにちりばめられたヒン...この感想を読む