カルバニア物語の評価
カルバニア物語の感想
ある意味、フェミニンな物語
完結するかしないかは天のみぞ知る穏健なBL誌に掲載されているのに、ホモでもレズでもない。しかし、普通の少女漫画ともいいきれない。なんとも、不思議な味わいのある漫画だ。完結を心待ちにしている漫画は、いくつかあるが、カルバニア物語は、いつまでも完結してほしくない。といっても、どらえもんのように、主人公がいつまでも成長しない、同じ時間軸の中にとどまっている漫画と違って、カルバニアでは、歳月は流れ、子供は成長してゆく。だからきっと、いつの日か終わりが来るのだろうけれど、刊行ペースがゆっくりなので、永遠といっていいほど、完結は先の話だという気がする。そして、もし、私が死んだ後に完結したとしたら、非常に口惜しい。たぶん私は化けて出ると思う。作者のTONOさんは、心霊漫画もよく書かれるので、驚きはしないだろうけれど。一人称「おれ」で絶世の美少女ヒロインが男勝り、というのは少女漫画でも少年漫画でもよく...この感想を読む
カルバニア物語
女王さまはお仕事なんですファンタジーコメディという体裁を取ったこの作品は、架空の王国カルバニアの若くて可愛いタニア・カルバニア女王と、その親友で男勝り(というかほぼ男)の侯爵令嬢エキュー・タンタロットを中心に描かれたショートエピソード形式の物語です。カルバニア他、諸外国との外交関係や、王室を取り巻く人々との人間模様が、軽妙な会話と共に時にコミカルに、時にハートフルに展開していきます。作中でも触れられてますが、タニアは女王職を現代的な「お仕事」と捉えているのが、この作品のユニークなところです。カルバニアの世界ではただ一人、初の女王であるタニアは、周囲から軽んじられることに憤ったり泣いてしまったり。それでも信頼できる友人たちに支えられながら、彼女の職務に真摯な態度が徐々に周囲からの信頼を得て行く過程には、いち読者としてとても共感を覚えるのですよ。一方のエキューは見た目も性格も真っ平らな胸も(...この感想を読む