リリイ・シュシュのすべての感想一覧
映画「リリイ・シュシュのすべて」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
青春の苦い部分
大好きな岩井俊二監督の作品。私は“ラブレター”や“花とアリス”といったほっこりする作品から岩井作品を拝見していたので、この映画の衝撃は凄かったです。14歳という多感な時期の陰湿・ダークな部分をリアルに描いていて、見ていてキラキラした青春の影にあった悩みや出来事を思い出しました。 多かれ少なかれ、中学時代っていろんな事が起きますよね。そして、中学~高校にかけてくらいが一番アーティストを崇拝しのめりこむ時期。人には言えない悩みや思いを、アーティストの歌に乗せて浄化させていく姿が、等身大に描かれています。個人的に衝撃だったシーンは、伊藤歩さん演じる久野陽子が坊主にして登校してくるシーン。 心が痛くなりました。そして伊藤歩さんはこの役の為に本当に坊主にされたとの事で、セカチュー以前の坊主女優!! 女優魂に感動です。 リリーシュシュ役がsalyuさんという所も◎! とても見ていて痛々しい映画ですが...この感想を読む
みていて辛い映画
とても痛々しい映画。少年犯罪やいじめや、自殺。音楽に傾倒する十代。ただの問題提起作品に終わらないところが、この映画のすごいところだ。蒼井優、市原隼人など、現在のトップ女優、俳優が主演だ。全体的に演技力が高く、心に響く。ストーリーはさまざまな問題と、心情について、というかんじ。映像がきれい。タイトルとなっているリリィシュシュとは、作品の中で、カルト的な人気を誇る歌手の名前だ。リリィシュシュを演じるのはSalyu。劇中の音楽は浮遊感があり、とてもいい。よく「欝映画」と言われるが、絶妙な切なさと陰鬱な感じに共感できる人は少なからずいると思う。
衝撃度★5
これほど衝撃的な作品があるのだろうか。明るいDVDのジャケットとは対照的なストーリーは、衝撃的としかいいようがない。この世界観は岩井文学、いや哲学。共感できる人には痛みを感じながらものぞきたい感覚を与える。そうでない人には嫌われてしまうこともあると思う。私も最初に見た時は意味が分からない、どこを見たらいいのか分からない、衝撃的すぎると思った。けれど他の岩井作品を見て、やっぱりリリイ・シュシュも分かるようになりたい、と思って見直した。好きになったのはその時だった。ムリに人に勧める作品じゃないと思う。けれど、同じ感覚を持つ人と会うととても嬉しくなる。
浮遊感のある作品
岩井俊二監督の青春時代の闇を描いた作品です。「リリィ・シュシュ」というなんとも意味ありげで、リリカルな題名にひかれます。音楽をMr.Childrenやサザンオールスターズのプロデュースでしられる小林武史が担当しているので、音楽が美しく全体的にミュージックアートフィルムのような浮遊感があって、暗くて過激な内容にどこか透明感を与えています。ドビュッシーのピアノ曲が効果的に使われているのがいい雰囲気を出しています。ちなみにこのピアノ演奏は声優でも活躍している牧野由依です。お話は中学生の鬱屈したところが多いので辛い人もいるかもしれませんが、若い役者が体当たりで演じているのもグッと来ます。