死びとの恋わずらいの評価
死びとの恋わずらいについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
死びとの恋わずらいの感想
幻想世界の映画
原作は伊藤潤二の同名小説だが、内容は映画化するには少々無理があるため、改変されている。しかし、その改変をしてもなお、『死びとの恋わずらい』本来の魅力は失われていない。監督は多くのミュージシャンのプロモーションビデオを手がけた渋谷和行だが、魅せることにこだわるミュージックビデオを手がけているだけあって、印象的なシーンやカメラワークが多い。被写体である俳優たちの魅力を存分に映し出しながら、切ないラブストーリーを楽しむことができる。配役も原作のイメージに近く、若い松田龍平の妖しい魅力が光っている。淡々とした内容なので、物足りないと感じる人もいるかもしれないが、幻想小説の世界を知っている人間には十分満足できるだろう。ホラー映画に属するのだが、よくあるホラーなシーンは全く無く、幻想映画とでも言うべきもので、物憂げな雨の降る午後にぴったりな映画だ。