純粋さを持つシロ - マリリンに逢いたいの感想

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マリリンに逢いたい

5.005.00
映像
3.00
脚本
4.00
キャスト
3.00
音楽
4.00
演出
5.00
感想数
1
観た人
1

純粋さを持つシロ

5.05.0
映像
3.0
脚本
4.0
キャスト
3.0
音楽
4.0
演出
5.0

この映画を一言で表すと「犬同士の恋愛物語」ですが、もっと大切なものがあります。それは「純粋さ」です。これがなければこの映画は成立していないと思います。その純粋さを感じられるシーンが二つあります。

一つは、主役である犬のシロが海を泳いで渡るシーンです。あの激しい波の中を泳いで渡ろうなんてまず人間にはそうそう出来るものではありません。船を使えば海を渡ることも可能ですが、荒波ともなれば船は欠航します。そうすれば海を渡ることは出来なくなります。けれどシロはどんなに波が大きくても自分が怪我をして泳げる体ではなくても最愛の彼女の元へ泳いで会いに行くのです。これは彼女を愛しているという強く純粋な気持ちがなければ出来ません。

もう一つは、彼女であるマリリンの亡骸を山の上へ運ぶとちゅうでそれを止めに入るシーンです。この時のシロの心境は「連れて行かないで」と言っているように見えますが、私には「どこに連れて行くの」と言っているように見えるのです。マリリンが家にいないことに気付き後を追うために走り出す姿はマリリンを探して連れ戻したいという気持ちからの行動のように見えました。なので彼女を見付けたときも「どこに連れて行くの」と言っているように見えたのです。そして、彼女のお墓の前で遠吠えしたのは全てを悟ったからなのだと思いました。彼女を追いかけ箱を開けようとし遠吠えをする、彼女のことを純粋に思っていなければこんな必死になることは出来ないでしょう。

我々人間も、シロのように誰かを純粋に思う気持ちを学べたらいいと思える作品だと思いました。
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