レインマンの感想一覧
映画「レインマン」についての感想が5件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
徐々に目覚める兄弟愛
遺産目的だった主人公金銭的に困難な状況に追い込まれていた為、物語冒頭から主人公チャーリーに良いイメージを持つことができませんでした。しかし、それは振り返って考えてみると、制作側の意図的なものだったと考えることができます。物語冒頭から、良い材料がひとつも揃っていません。むしろ、悪い面を全て吐き出しているかのように感じられるのです。自分勝手に兄レイモンドの元を訪ね、施設から連れ出す行動にも、一般的な感覚からは理解を超えています。物語冒頭から、主人公であるチャーリーは悪役なのです。これは物語を描く手法として、悪役として、落とすところまで落としておき、後に、観客の株を上げていく作戦が取られているだと考えられます。とことん悪く描くことで、人間性が良くなった場面を描けば、チャーリーの印象は物語最後には良くなってしまうのだと考えられるのです。そういった意味では、非常にズルい作り方をされた物語だと考え...この感想を読む
豪華なキャスト
とにかくキャストが良かった。トムクルーズとダスティンホフマンが演じた兄弟がなんとも愛おしく思えるくらいのめり込んだ。設定もなかなか面白い。チャーリーはしばらく会っていなかったサヴァン症候群の兄レイモンドに、父の遺産が大半入ってくることを聞き、お金目当てで近付く。最初はなんだこの最低な弟は!と憤ってしまったのだが、だんだんとレイモンドに惹きつけられ、そしてチャーリーの心はあたたかいものに変化していく過程が観ていて涙を誘った。チャーリーの根の優しさや、レイモンドの純真無垢さがこのストーリーに厚みを持たせている点だと思う。なぜチャーリーはレイモンドを見捨てられず、面倒を見るようになったのか、それはただ単に兄弟だから、というだけではなく、幼少期の「レインマン」、つまりレイモンドとのあたたかい思い出にあったように思う。そし自分のせいで病院に入院することになってしまったレイモンドに対する罪悪感がず...この感想を読む
アカデミー賞映画
アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞を受賞した名作です。サヴァン症候群のレイモンドを演じたダスティン・ホフマンの演技が素晴らしいです。親の遺産目当てのクズな弟チャーリー役のトム・クルーズもとてもいい味を出していました。でも旅をしながら、兄と弟がだんだん仲良くなっていく様子はとても微笑ましかったです。道中、レイモンドが下着を買うのにKマートじゃないといやだとごね、チャーリーが「どこで買っても一緒だ!」と甲高い声でヒステリーを起こすシーンはいつ観ても笑ってしまいます。トム・クルーズの声って、顔に似合わず高くて、怒った演技だとコミカルに感じます。人にも1度は観てとお勧めしたい、大好きな映画です。
育児ノイローゼになったり、子供を見てて疲れたら見て欲しい映画
1988年公開のアメリカ映画サバン症を取り上げた画期的な作品。ダスティンホフマンの演技がアナタを釘付けにします。一度は見たほうが良い作品。赤ん坊と自閉症の患者は、この世の理屈ではコントロールできない存在があると示している。英国の犬は、肉の固まりを眼の前に出されても喰いつかない、これぞ良いしつけという。これは野生を完璧に人間に服従させている。常に日本の人が言う「話せば判る」これは通じない、自然や赤ん坊や人の心なんてものは、完全にコントロールできないものですが、赤ん坊を虐待して絞め殺してしまうのは、コントロールできると思う慢心が生んだ思い違いなのです。ダスティンホフマンが演じる自閉症患者をトムは、無理を押し付けず、ただ存在を認めます。相手からの見返りは期待してない。
向かい合う兄弟
折り合いの悪かった父の遺産を受け取りに来た若いセールスマンの男が、ろくな財産が自分には残されず、もうひとりの離れ離れになっていた兄にお金が行っていたことがきっかけで、兄と接するようになります。兄は極度の自閉症で、子供の頃から別れて暮らしていたために、あまり記憶がありません。唯一の例外が「レインマン」の歌でした。最初弟は遺産を自分のものにするために、兄を自分と一緒に居るようにして法廷で戦おうとしますが、暮らしているうちに二人の絆が深まります。特に兄は抜群の記憶力を持ち、それがもとでギャンブルで儲かることさえあります。そうする中でお金ではなく、二人の本来の兄弟の情愛が出てきます。ホフマン演じる兄のキャラクターは実在の人物がモデルだそうですが、特性がユニークで記憶に残ります。また完璧なまでにその特異なキャラクターを演じきっています。トムの演じる兄も良い味を出しています。派手な立ち回りはないで...この感想を読む