ラストタンゴ・イン・パリの評価
ラストタンゴ・イン・パリについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ラストタンゴ・イン・パリの感想
荒涼たる現代の絶望的な孤独と不毛の愛を、悲痛な美しさで描く戦慄的なニヒリズム 「ラストタンゴ・イン・パリ」
とにかく、このベルナルド・ベルトリッチ監督の「ラストタンゴ・イン・パリ」は凄い映画だ。そして、その凄さは"大胆なセックス表現"にあると言われている。だが、もしそうした興味で観てしまうと、肩透かしをくうのではないかと思う。この映画は、かなり高度な、知的な映画なのだと思う。荒涼たる現代の絶望的な孤独と不毛の愛を描いていて、それは悲痛な美しさであり、戦慄的なニヒリズムだ。その意味では、確かに凄い映画なのだ。一人のダメな中年男(マーロン・ブランド)が主人公だ。そして、彼の相手は奔放で無邪気な、だがファーザー・コンプレックスの若い娘(マリア・シュナイダー)だ。男の名はポール、女の名はジャンヌ。二人はお互いにアパートを探して、偶然に同じ空き室で出会う。そして、沈んでいた男は突然、衝動的に動物的な荒々しさで女を抱き、娘もまた、それに激しくこたえる。こうして彼らは、男が借りた部屋で、男の提案通り、名乗りあわ...この感想を読む