宗教的なものをいかに現実に近づけるか
”奴ら”が来る登場人物である小学生の立花は、頻繁にこの言葉を発します。もちろんこの話はタイトルにもあるように、モンスターの”奴ら”と小学生たちとの話なのですが、実際にはこの漫画はただのファンタジーではありません。つまり”奴ら”などというものが本当に存在しているという話ではなく、多感な小学生たちの抱える究極の内面の問題が”奴ら”として彼らを襲うのです。このように究極の内面をファンタジーとして世界を構築するという手段は松本大洋の常とう手段で、「鉄コン筋クリート」のシロとクロの存在ももはやそれにあたると思います。そして松本大洋の作品では「青い春」なんかでも見られるように、自己を除く”一般”が存在します。GOGOモンスターでも主人公以外の小学生たちには奴らが見えておらず、また「早く帰りてー」や「バカは伝染るぞ気を付けろー」などと低俗だがありふれたセリフを吐き、松本の中の一般としてひとくくりにされて...この感想を読む
4.54.5
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