地下鉄のハイジャックを小味なスリルを盛り込んで描いた、サスペンスたっぷりのパニック映画の傑作 「サブウェイ・パニック」
1970年代の前半は、「ポセイドン・アドベンチャー」「エアポート'75」「タワーリング・インフェルノ」といったパニック映画の大流行で、この映画もその一種には違いないのですけれど、大型パニック映画とはひと味違った特色を持っているのです。大特撮も大音響も大スターの競演もありませんが、小味のスリル、緊迫したサスペンスに満ちあふれていて、記憶に残る忘れ難い作品になっています。素材になっているのは、世界一とも言われるニューヨークの地下鉄です。地下鉄ということで思い出されるのが、ラリー・ピアース監督、マーティン・シーン主演の「ある戦慄」という映画です。深夜のニューヨークの地下鉄で、二人のならず者が乗客たちを脅して嫌がらせを始めます。その暴力に対する市民の無力-----を描いた作品でした。薄汚い地下鉄のロケもなかなか迫力があって、今にして思えば、あれもパニック映画の走りだったのかも知れません。とにかく、現代社会...この感想を読む
4.04.0
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