人間の証明のあらすじ・作品解説
人間の証明は1978年1月7日から4月1日かけてMBSにて放送されたドラマである。原作者は森村誠一で1975年に「野性時代」連載小説としてスタートさせ、1976年に単行本発行し500万部を売り上げたベストセラー小説である。 プロデューサー:青木民男・桑原秀郎・岡田裕介、脚本:早坂暁、音楽:広瀬量平が担当した。 一人の黒人青年が一冊の詩集と謎の言葉を残して死んだ…。日本各地と米国をまたに架けた壮大なスケールで展開される物語である。家族の絆や国とは何なのか、正義・愛とは何なのか、人間にとって本当に大切なものは何なのか、誰もが抱えている問いに様々な視点から切り込んだ作品でもある。 キャストは、八杉恭子役に高峰三枝子、郡恭平役に北公次、立花典子役に多岐川裕美が起用された。 2010年7月21日から8月6日に全4巻のDVDが発売されている。また、1977年には映画が公開され、ニューヨークにてロケが行われた。
人間の証明の評価
人間の証明の感想
陽子の存在、路子の存在
78年版ネタバレあり。今回全編通して観て確信したのは、少なくとも本作(78年TV版)における究極のテーマは、母は子に対して正直であるべき、ということ。登場する第一の母子、棟居母子では、母が化粧を落として素顔を見せることが、捨てられた子が捨てた母を赦す事に繋がる。第二の母子、恭子は子であるジョニー殺しを自白することで、棟居から「最後にあなたは人間であることは守ってくれました ありがとう」というセリフを引き出す。第三の母子、朝枝路子は手錠に繋がれながらも「お腹の子が、嘘をつき続けていると変な子が生まれるような気がして」と吐いている。母子という生物として最も単純な関係ですらともすると母が子に偽り無く相対する事ができなくなるのが人間社会であり、しかしそれを勇気を持って乗り越えることが人間として生きる上で大切なのである、ということなのか。また、母が子に偽り無く相対する事が出来る世の中でなければ、ともと...この感想を読む