モンキーピープルのあらすじ・作品解説
舞台は南国の奥地。虫嫌いな人が読むにはあまりにも危険だと言われた、釋英勝氏作品のモンキーピープルは医薬品の研究をテーマにしたマンガである。 ある日藤共蜂薬品に送られて来たのは、新種のコオロギ。そのコオロギは開発チームの一人の指を食いちぎる凶暴なものであった。開発チームの指を食いちぎると、次は実験用のマウスに噛みつき始める。しかし、コオロギは必死にマウスに噛みついている隙に他のマウスに食べられてしまう。 開発チームがコオロギを食したマウスを調べてみると、皮膚癌を宿していたマウスのがん細胞が一掃していた。死んでしまった他のコオロギを調べると皮膚癌だけでなく、あらゆる癌に効果があることが判明した。世紀の大発見だと喜ぶチームだが、コオロギに指を食いちぎられたチームの一人が心筋梗塞で死亡し、事態は思わぬ方向に進んでいく。 人間のエゴや、釋氏のあまりにもリアルタイム性過ぎる昆虫たちのイラストは、見る者を視覚的にも精神的にも恐怖を襲うマンガである。