雪の女王のあらすじ・作品解説
「雪の女王」はアンデルセンの童話を元に制作されたアニメ作品である。原作は世界各国で何度もアニメ化されているが、ここでは2005年~2006年にNHKで放映された「雪の女王 The Snow Queen」について触れる。 本作は「ガンバの冒険」などを手がけた出崎統の監督作品(全36話)。 少女ゲルダが幼馴染の少年カイを探して旅をする構造は原作通りだが、オリジナルキャラクターとしてゲルダと旅をする吟遊詩人ラギや他のアンデルセン作品の要素など、いろいろな演出やキャラクターが加えられているのが本作の特徴である。また本作での女王は、厳しさと優しさを併せ持つ自然の精霊という出崎統の解釈によって単純な悪人ではない描写がなされている。 本作は主役に声優でなく俳優の涼風真世や仲村トオル等が出演している点や、アンデルセン作品の持つ「運命による理不尽さ」の表現の有無などで観る人により評価が分かれる可能性はあるが、作画品質は高く少女ゲルダの成長を描く王道ドラマとしては完成度の高い作品に仕上がっている。