もっと活躍させてほしかった前島マリエ - 100億の男の感想

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100億の男

3.503.50
画力
3.50
ストーリー
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キャラクター
4.00
設定
3.50
演出
4.50
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もっと活躍させてほしかった前島マリエ

3.53.5
画力
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
4.0
設定
3.5
演出
4.5

目次

  1. 個人的には主人公の富沢琢矢が会ってきた本作を彩る女性、銀座にバーを構える琢矢の情報源で才覚を見出すりさ子や仕事一筋ゆえ男からふられたルポライター美村奈緒子、チーフなれど琢矢に逆にアメリカ流を教え込まれて惹かれ合うレイチェル・ヘイズワード(美人研究者、要は才色兼備とするサイトあり)、冷酷な速見香織などでも…

屈折して御侠、色のついた波打つ髪がトレードマークの株式会社マエジマの社長令嬢、前島マリエが最も好き。

マエジマは真鍋政一が昇学工業の御曹司と聞いた琢矢の反応と前島マリエ自身の台詞から相当大きな会社。当人の台詞からまだ二十歳になるかならないか。母は女手一つで切り盛りするが、自身はまだ女子大生でビジネスの話はできないという。気ままな学生生活を送っていると思われる。どの程度のレベルの大学の何学部かはついぞ語られなかった。

前島マリエ、その動向

好きでもない男との結婚前提のお見合いを母に画策されるのもあってか、屈折して(因みに彼女を評する時の久我山沙貴程お前が言うか?と思った例を寡聞にして知らない)、琢矢に近付いた後、母に対する反感を見せる。

同じ大企業をいずれ継ぐ、金持ちの若者達に混じり、「ちんたらやってらんないわ!」「みんなと同じに賭けて勝ったってつまんないもの!」と真鍋が仕切るゲームにはまっていた(他の参加者が笑みを浮かべたのに気付かず、友達と思っていた)。

前島マリエの軍資金は一気に消え(それまでに単純なカードゲーム類で借金は20億)、政一は自分達に濡れ場を見せられるかを賭けての参加を前島マリエに提案する。

真鍋は「僕はこの金を全部賭けてもいいですよ」と言い、他は「オレも2千万円奮発してやるよ!」「あたしもマリエのためにここはでかくノッてあげる!」「よォし、オレは3千万円!」「こりゃ賭けがいのあるゲームだよ!!」と大喜び

「おおっ、いいねぇっ!!」

「こりゃ見て見たいね!」

前島マリエ以外の参加者が期待に胸を膨らます中、拒んだ琢矢は真鍋を怒らせ、彼は屈強の男達を呼んで琢矢を締め上げる。気遣う前島マリエ自身にも危機が迫る。

前島マリエの魅力

ビッグコミックスピリッツ1994年6月6日号(No.24、通算573号)の煽り文句は「金マミレノ人生ニ、溺レテシマウカ……!?」。見かねた富沢琢矢とでゲームをやり遂げる。Index.48「負けないSEX」のH度は132話中で屈指。

前島マリエが琢矢とまぐわう様子を見て、満悦の政一と他の参加者達。

「でもさァ、1億8千万も積まれりゃ人前でのセックスくらい誰だってやるよなァ!「そうよね、真っ昼間の渋谷のハチ公前ででもできるんじゃない? ね、マリエ」と青姦について言われる。

挙げ句、「お前なら何でもできるよ、マリエ。なァ、今度は5千万出すから犬とやってみせろよ!」と提案され、「何ですって……!?」となるも他のゲームの参加者は「そりゃあいい、オレも乗った!」「オレもオレも!」と乗り気。そうなると「ふざけないでよ、なんであたしが(自主規制)しなきゃいけないのよ!」と気丈(しかし「お前、真鍋に20億の借金があるんだぜ。(自主規制)みんなから5千万円ずつ出してもらえばしめて2億5千万! オイシイ話じゃねえか」と言われる)。

前島マリエ以外の参加に女が2人おり(前島マリエとの差別化のため越しまで届く長髪とボブにしていれば、尚良し)、「私はレズビアンセックスが見たいわ」「賛成よ。スタイル変態度も申し分ない女を用意するから相手をしてご覧なさいな、マリエ」と提案しても面白くなった。

お見合いを破談にすべく、居合わせた富沢琢矢が前からの恋人ということにして、「富沢さんが部長命令であそこに来るとわかった時から必ず告白しようと二人で決めてたのだけど……」と迫真の演技をしていた。

「ト・モ・ダ・チ?」「アハハ……友達だってよ!」「こいつァ驚いたな」と一笑に付した後の「なァ、マリエ 世の中にはたった2種類の人間しかいないんだよ…………」「それはな、金を遣う奴と金に使われる奴さ! マリエ、たった今 お前は金に使われる側の人間になってしまったのさ」なる台詞から自分を標的にしていた一同の言いたいこと(彼らは金を使う側、自分は金に使われる側。最早自分は仲間でない)を察し聡明。一笑に付していいのしら? 真鍋クンもあなた達もいつかお金の恐ろしさを知ることになるわ。覚えてらっしゃい」なる台詞もあれば尚よかった。

「マリエさん、あのホテル跡地を管理するだけの目的で作られた不動産管理会社に、取締役として名を連ねているのよねェ」

150億を売る権限があると久我山沙貴から富沢琢矢が聞かされた後、沙貴に未練のない土地を売り…

逃亡を謀った後…

母に知られると富沢琢矢のせいにして、「私…よくわからないうちにあの土地を売らされてしまったの…」と弁明する。「どうせ土地を売ったお金を持ってどこか遠くへ二人だけで行こうとでもいわれたんでしょ!!」「あなたはどこまで男を見る目がないの!騙されているのが何故わからないの!!」と言われて話を進める。母が富沢琢矢に正真正銘の悪党と言うと、泣いて極悪人呼ばわりした。

富沢琢矢が警察に連れていかれそうになって逃走すると、“馬鹿な奴……何故逃げたんだろ。警察で濡れ衣を晴らす方がイイに決まってるのに……”の後“……と、こうしちゃいられないわ。早くお金持って逃げなきゃ。どうせあたしがやったって、すぐにバレちゃうんだから”と思って、当初からの計画通り外国に逃げようとする。

富沢琢矢の怒りを買った後、真鍋政一との株勝負に協力させられる前島マリエ。

琢矢に「どの選択がベストかなんてわかりきったことだろ?」と言われた前島マリエは…

久我山天善の好きにさせまいと思う根本健治が力となった後、前島マリエは母の追手は演技で突破すると…

様々なことがあって勝負を制した後、母に憤りを見せてから諭す。

こうした面も

「るせんだョ!!ほっとけ!!」(富沢琢矢に30代の社長夫人、広瀬恵美子より魅力がないと思われたと思ってすねた時)「ぬかしてろ!!」(富裕層のパーティーで真鍋政一と共に祝勝気分できていた参加者に「なあ、マリエ。お前は、もうこんなとこへくることのできる人間じゃねえんだぜ。とっとと帰んな」と言われた時)などの俗な、ざっくばらんな物言いもある。株の仕手戦に勝って15億を手にした時、真鍋政一達に「ダーハッハッ、それ見ろぃ。私の一人勝ちだぜ。跪いてから真っ昼間の渋谷のハチ公前ででよ、真鍋、お前はお似合いの丸っこい相手と、他の男はダサ中のダサ女と経験してみやがれ。一人1億8千万恵んでやっぜ。それでも私には4億以上残るもんよ。それだけ積まれりゃ人前での(自主規制)くらい誰だってやるよなァ! お前らの親もうち程でねぇにしても、十分恐ぇんだろ? オイシイ話じゃねえか。えぇっ?」と皮肉を交えつついってもよかった。女の参加者が2人いれば、彼女達に「百合の世界で楽しませてみな、金は弾まぁ」と言うのがよし。

お母さまに「あのよ、おふくろ。お前がそんなじゃ親父にもじいちゃんにも顔向けできねぇぜ」と強気に出ても前島マリエの魅力は増したと思う。

前島マリエがこうなっていれば

前島マリエは終盤会社を立ち上げていた。富沢琢矢は総経理(社長)の楊美娟(ヤンメイチュワン)と将来を誓い合い、その(学生時代から共に頭角を現わし、愛の見解に関して対照的)ライバル久我山沙貴最終回でもかかわりを持った。

前島マリエは富沢琢矢に協力したが、初登場時が嘘のような、二人に勝るとも劣らぬ才女となってほしかった。「いくら沙貴さんの親でも、この国の経済を思えば天善という老害は放っておけないわ。真鍋クンもみんなも打ち負かすための力添えを琢矢にしましょ。いいわね?」(ここでは「ジイさんども」「ぶっ倒し」と言った久我山沙貴の兄の愛人、森下圭と差別化してほしい)と真鍋政一達一同を従えて。

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