古臭さがたまらない、「男のサインはV」 - Vの炎の感想

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Vの炎

4.304.30
映像
4.00
脚本
3.50
キャスト
5.00
音楽
4.50
演出
4.00
感想数
1
観た人
1

古臭さがたまらない、「男のサインはV」

4.34.3
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
5.0
音楽
4.5
演出
4.0

目次

昭和臭がするバレーのスポ根ドラマ

Vの炎は、1995年に、バレーボールワールドカップのイメージキャラになったV6が、その活動の一環で出演していたドラマである。一話の尺が短いため、ビデオなどで通しで視聴する方が見やすいが、残念ながらVHSで発売されて以降DVD化がされていない、非常に希少な作品になってしまった。

1995年と言えばとっくに時代は平成に突入していたわけだが、この作品は昭和時代に人気があった、女子バレーのドラマ、「サインはV」や「燃えろアタック」、アニメ作品の「アタックNo.1」がオマージュされたような作品で、話の構成としてはやや古臭いドラマだった。

現実にはあり得ない必殺技や、昼ドラ顔負けのどろどろした人間関係や不幸などを盛り込みつつ、若者の青春が描かれている。ちょっと女子特有のドラマと違う点があるとしたら、V6のメンバーのユニークなキャラクターを生かしたドラマのせいか、ギャグ要素やコミカルなシーンも多く、作品全体としては暗さより明るさが目立つ作品だということだ。

今の若いV6ファンが見たらびっくりしてしまいそうな内容だが、当時の視聴者層は昭和の女子バレードラマやアニメで一定の傾向を知っている人たちだったため、面白おかしく昭和のわざとらしさを、ツッコミつつも受け入れて見ることができた、また、単純にジャニーズアイドルである男性が、こういったエキセントリックなドラマに出たこと自体、非常に当時としては斬新なことでもあり、新鮮に映ったものだ。

岡田准一さんの黒歴史

今や日本を代表する俳優になってしまった岡田准一さんも、V6のメンバーなので当然このドラマに出ている。しかし岡田さんは、自分のデビュー作を人に話す時に、1997年のD×Dと話すことが多いようで、Vの炎の自分の演技は忘れてしまいたい思い出のようだ。

それも正直仕方がない。岡田さんは他のメンバーのように、ジャニーズジュニアの一員として色々芸能活動をしていたわけではなく、ろくに経験もないままV6に抜擢された異例のメンバーだったのだ。

後日トーク番組では、最年長の坂本昌行さんが岡田さんに演技指導をしていたようである。その坂本さんも、今では日本の舞台では、無くてはならない俳優の一人になっている。

とにかくVの炎では、多少こなれた感じがする他のメンバーに比較し、岡田さんだけが異常に初々しい。どういうわけか、普通ならNGと思われるようなセリフを噛んでしまうシーンも、そのまま放映されている。役名と本人の名前が同じだったため、お調子者でかわいい岡田准一というイメージが一層定着してしまいかねないドラマでもあった。

今や大河ドラマや歴史ものなど、大きな作品で主演を演じるようになった岡田さんを、当時誰が想像したろうか。ある意味人間、やればできると岡田さんが証明した様なものである。

岡田さんにはむしろ、恥ずかしがらずにデビューはVの炎だと堂々と言っていただきたいものだ。

必要あったかよくわからぬ林の死

このドラマの序盤の山に、一人二役、森田剛さん演じる「林」が、不慮の事故で死んでしまうという悲劇がある。その後林の代わりにバレー部に入ってくる、森田さん演じる「森田剛」は、全く林と性格が違う。林が真面目なタイプなのに対し、森田はおチャラけた一面もある明るい青年という感じだ。

その後、V攻撃という伝説の攻撃を編み出すのに、森田と坂本がキーマンになっていくが、これは別に林でもよかったんじゃないか?と思え、なぜ森田さんが二役やったのか正直よくわからない。

物語としては「悲劇」の部分を盛り込んだり、萩原流行さん演じる謎の男(実は林の父)というミステリアスな演出上、盛り上がったのは確かなのだが、死ぬこともなかったように思う。

韓流ドラマもそうであるが、交通事故や不慮の事故による失明などの悲劇は、この手のドラマにはつきもので、必要性があるかどうか自体あまり問題じゃないのかもしれない。

そもそも監督の名前、浅丘こずえや、監督の友人鮎原ユミからして、昭和のどろどろドラマを意識しています全開なので(アニメしか知らない人でも、鮎原こずえの名称を思い浮かべた人は多いと察する)わざとらしいぐらい理不尽じゃないと、この手のドラマは流行らないのかもしれない。

面白作品だと思いきや・・・

間の抜けた英語を話す井ノ原さんや、空中でキーボードをたたく、天才だか曲芸師だかわからぬ長野さん、基本まっとうな不良だがV攻撃を余り疑問に思わずに土台になっている坂本さんなど、個々のキャラのエピソードの面白さも枚挙にいとまがない。トレーニングも同じスパルタでもアタックNo.1のような悲壮感はなく、ロシアのコサックダンス(ホパーク)を取り入れたり、こんなのが訓練になっているのか?と一見バレーの練習とは思えぬものが多く、笑いを誘う。メイキング映像では、監督役のもたいさんが「バレーには見えないわよね」とはっきり言っているぐらいである。

総じて明るい作品なのだが、最終話で紹介される月見高校の選手のその後で、坂本さんだけが医師になるにもかかわらず、海外で難病治療に従事したために、その難病で25歳でこの世を去ったとされ、何とも言えない悲壮感が漂う。他のメンバーは明るく生きているようなのに、なぜ坂本さんのキャラだけがこんなに幸薄設定なのかますます謎である。

しかし、最年少岡田さんと最年長坂本さんは10歳差なのに、同じ高校生を演じ、あまり作中違和感がない点も興味深い。V6のメンバーが、デビュー20年を超えた今になっても、あまり年を取ってない秘訣は、このドラマにあるチームワークと、年齢を感じさせない不思議な魅力にあるのかもしれない。

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