ドラマ「ライフ」のみどころご紹介。面白みが増す4つの着眼点 - ライフの感想

理解が深まるドラマレビューサイト

ドラマレビュー数 1,147件

ライフ

3.753.75
映像
3.50
脚本
3.75
キャスト
3.75
音楽
3.50
演出
3.75
感想数
2
観た人
10

ドラマ「ライフ」のみどころご紹介。面白みが増す4つの着眼点

4.04.0
映像
3.5
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
3.5
演出
4.0

目次

ライフのみどころ

学園ドラマでよくある学園内のいじめについて作られたドラマです。原作はマンガで、特に女性に多く読まれている1作品です。それを実写化したドラマが2007年に放映されました。当時はいじめ問題でとても話題になりました。このドラマは学園の中で次々に展開されていく壮絶な「いじめ」を中心に描かれたドラマです。いじめについて問題となるポイントは、いじめる側が悪いのでしょうか?いじめられる側も悪いのでしょうか?などがあげられます。

ライフの中でも、学園を裏で操る役である「安西 愛海」を演じる「福田 沙紀」ですが、それに勇敢に立ち向かう「北乃きい」が演じる「椎葉歩」役がメインでストーリーが構成されています。学園でいじめを見つけても無関心で自分がされなければよいと見過ごす生徒たちについても注目です。いじめる側、いじめられる側、いじめを見る側、いじめを救う側とこの4つの視点によってもこのドラマの印象や考えさせるポイントが異なるので何度見ても考え深いドラマです。また、学園ドラマには欠かせない恋愛に関するストーリーも練りこまれていますが、それについてもまたいじめとの因果関係が強くより人間の心境が複雑にあらわされている点にも注目です。

ポイント①ライフは女性の心境について描かれている

ライフを観ていると女性は子どもでも大人でも、女性の振る舞いと本当の心境は違うというポイントに気がつきます。女性に比べて男性はストレートで男性同士の付き合いも好きや嫌いがわかりやすくやりやすいように感じます。しかし、女性の場合、心理はとても複雑であり発言と心境が異なることがとても多いです。

また、その発言には裏で策略があり、自分がどう思われるかを判断した上で本当に心境を語らないことなんて日常茶飯事です。男性は女心はわからないという発言をよく耳にしますが、たとえ女性同士であっても女性の心理を理解するには長い年月とお互いの信頼関係が確立されていなけばわかりあえないと感じさせられます。もはやわかろうとすることが愚かであると感じることもあります。女性は特に自分のポジションや自分の評価を気にする生き物です。

そのため、自分においてわずらわしいものであると判断した場合には、排除したいという思いが生まれます。中にはわずらわしいと感じることを辞めようとしたり、自分の視界から排除することで対処することもありますが、攻撃的な女性はわずらわしいものに直接手をかけることがあります。ライフの中でもこれらに相当するシーンがあります。

ポイント②ライフでわかる人格の裏表

誰でも裏表のようにこういうときの自分やああいうときの自分といったように何面も持ち備えていることがあります。それを裏表というのかは疑問もありますが、黒と白のように極端に面が変わる場合は表裏と表現することがぴったりです。ライフでもいじめっ子である「安西 愛海」は完全に裏表のある生徒の1人です。表のマナは誰からも好かれて生まれながらにかわいい顔を持つ清純派の女子高生です。

しかし、そのマナには常に裏のマナが隠れており暇つぶしにいじめをするような性悪な女子高生です。そんなマナと交際をする「佐古 克己」役を演じる「細田 善彦」もまた裏表をはっきりと持つ男子高生の1人です。愛海と克己は付き合っている設定ですが、ここにもまたいじめ以外にも裏表が発生しており、本当の自分を理解している高校生がいない状態です。しかし、いたいけな高校生が裏表を持つようになることは周囲に原因があると感じます。

その中には家族関係が大きく関係しており、家庭環境に問題を持つ高校生はどこかでそのしわ寄せが何かしらの形であらわれるケースがあります。ライフの中でもまさに家庭環境の問題が複雑にいじめと絡み合っており、考えさせられる点が多いので深みを増します。裏表があることはいけないことであるとは言い切れませんが、一歩間違うと大変な事態を引き起こすことがライフで描かれています。

ポイント③愛美の本当の心境

いじめのきっかけは、いじめの対象者が憎いだけとは限りません。多くは自分の置かれている環境に満足していなことや、不満を抱いていることについてのうさばらしをしているケースが多いです。中には、嫉妬やジェラシーを抱いた相手を標的にするケースも多々あります。人の幸せを喜べない愛美は、自分よりも幸せな者を見るととても攻撃的になります。愛美は自分と他人を比べることで自分の幸せを実感するタイプであり、常に自分が上でなければ不安になってしまいます。

本来幸せとは自己満足であり、自分がよければそれでよいものですが、自分が本当に好きなものやしたいことなどを見出せない人は愛美のように、他人の行動や発言に執着してしまうようになります。愛美はわがままなお嬢様タイプの役付けですが、実際には1番愚かで可愛そうでもあります。本当はもっと素直に人に甘えたり、悪いことをしてしまったときには謝罪をしたりと人間関係をうまく作りたいはずなのに、プライドや不服な感情の反発心よりいじめに走ってしまうのです。これは、ある意味、愛美の防衛作とも言えます。

ポイント④現実にも起こりえるいじめ問題

いじめは現代では社会問題の1つになっております。ライフはいじめを廃止するためにいじめの仕組みを理解してほしいという思いが込められているに違いありません。しかし、いじめの実態や深刻さをきちんと理解していない者が観たときには、面白い遊びという風に間違った捉えた方をしてしまうこともあります。

そんななか、実際にいじめられたことがきっかけで、社会に出たり社交の場に出られないようになってしまう人もいます。酷いケースでは自ら死を選んでしまうこともあるぐらいです。世界から見ても日本はとても豊かでGDPも高い国であるが、子どもが自殺をするぐらい実際は貧しい国であると言われていることもあります。本当に豊かさや幸せな感情ということはインフラが整っていることだけではなく、本来、人間が感じる感情のことを示しています。ライフの中でも自分で死を選ぼうとしているマナが描かれていますが、人間は死んでしまったら悲しいことに終止符を打つだけでなく、楽しいことや幸せなことまでも感じられなくなります。

日本の社会問題で年々、子どもの自殺者の年齢が下がるなか、子どもを助けなければならない大人の責任が問われるようになってきています。ライフのなかでも子どものいじめを黙認する先生と必死に解決しようとする先生が描かれています。子どもだけでなく人は自分だけで生きていくことは難しく誰かの手を借りなければいけないこともあります。それを早く周囲の人が気付いてあげて手を差し伸べてあげるかどうかで、その人の未来が180度かわる可能性があります。死んでしまってからでは手遅れということに本当に手遅れになる前に気付いてほしいという思いがドラマ「ライフ」から伝わります。

まとめ

ドラマ「ライフ」についてのご紹介はいかがでしたか。ライフは思春期の子を持つ親にも観てほしいドラマです。自分の子どもに限ってと思っている親はとても多く、自分の子どもがいじめを働くなんて考えられないことがあります。たいていの親は自分の子どもがいじめられてないかと心配することはあっても、いじめているのではないかと疑うことはとても少ないです。

子どもの責任は親の責任であるため、このドラマを通して、親が子どもを観る目も養えればと感じます。結果的にいじめがよい展開に発展することは考えにくく、よくないものであることを理解し日本の社会問題の実態を描いているドラマであるといえます。それほど、深く考えさせられる内容であり、これからも永遠のテーマであるに違いありません。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

壮絶ないじめと戦う物語

主人公の椎葉歩は、女子高生の一年生。中学の時の親友と同じ高校に一緒に入学するため猛勉強し見事難関高校に合格しましたが、親友は不合格でした。親友から「あなたなんていなければ良かったのに」と言われてしまい友情が崩壊したまま、高校生活を迎えた歩は周りと話さないようにしてましたが、クラスメイトの安西愛海等により歩は再び前向きになりました。そこまでは、実生活でも有り得そうな話だと思います。しかしこの後のストーリーで、このライフというドラマは本当にこんな事ってあるのか?あったら怖すぎると思うようないじめがテーマとされてました。一番最初にビックリしたのは、歩が朝登校しようとすると愛海等により机を校舎内から外に捨てられてしまうシーンです。校舎内といっても二階以上からの高さから落とされました。ぎりぎりで歩の上には机は落ちませんでしたが、その際愛海等から発せられた言葉が「お前の席ねぇから!」でした。とても...この感想を読む

3.53.5
  • ちびまるママちびまるママ
  • 112view
  • 586文字

関連するタグ

ライフを観た人はこんなドラマも観ています

ライフが好きな人におすすめのドラマ

ページの先頭へ