毎回ハラハラドキドキ!犯罪者なのに応援したくなるドラマ! - ナオミとカナコの感想

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ナオミとカナコ

4.504.50
映像
3.75
脚本
3.75
キャスト
4.50
音楽
3.75
演出
3.75
感想数
2
観た人
2

毎回ハラハラドキドキ!犯罪者なのに応援したくなるドラマ!

5.05.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
3.5
演出
3.5

目次

親友二人による殺害計画!

このドラマを見てまず感じたことは、

DV夫から逃げられない妻は世の中にどのくらい存在するのであろうかという事だ。

私の身近にはそういった人はいないのだが(知らないだけかも?)

もしかしたら逃げたくてもその後の事が怖くて逃げられない人がほとんどなのかもしれない。

そういった意味ではDVという行為は、相手の今も未来もすべてを支配し、抑制するものなのだろう。

ドラマの中のカナコもまた、DV夫・達郎の殺害計画を親友ナオミに提案されても最初は躊躇し、一度は怖くて断念するのだ。

本当はDV夫を殺してしまいたい!と思っている人も世の中には多いかもしれないが、

このドラマのように本当に殺してしまおう…なんて考えつくだろうか。

そこに至るまではよほど精神が崩壊した状態でないと実際には踏み切れないだろう。

カナコも最終的には、エスカレートしていくDVに耐え兼ねて殺害を決心するのであるが、

もし自分だったら、殺しても絶対に警察に捕まりたくないと強く思うはずだ。

DVする男が間違いなく悪いのに、それから逃れるために自分が犯罪者になる…こんな理不尽なことはない。

離婚する勇気もなければ周りに助けを求める事も出来ない。

そんな追い詰められた妻が今回のように殺害を実行してしまうのは、仕方のない事なのだろうか…

DVをされているシーンを見ているとあまりにもカナコがかわいそうで、もうやったれ!と思うようになてしまった(笑)

緻密な殺害計画の実行・そして禁断の恋

殺害した夫を他人とすり替えるなんて、この計画を思いついたナオミは素直にすごいと思った。

それと同時に今までにない脚本で面白いと思った。

色々な条件が整った上で今回の計画を思いつくわけだが、確かに完全犯罪が可能だと思った。

とはいえ、世の中には自分にそっくりな人間が3人くらいは存在するというが、

すり替えられるほどのそっくりさんなんているのだろうかと思ってしまった(笑)

顔はそっくりでも、体形が違ったり髪質が違ったり声が違ったり様々だろう。

まぁそこはドラマだからとスルーすることにして、一人二役を演じた佐藤隆太さんの演技は本当に素晴らしかった。

達郎役の佐藤さんは本当に最低なDV夫という感じで、神経質なうえに非常に気難しそうな表情なども上手であった。

それに対し不法侵入者の中国人・林を演じる佐藤さんは、どこかいつもオドオドしていて、

それでいてとても穏やかでもあり、同じ人間が演じているとは思えなかったのでさすがである。 

ドラマの中でも誰もが同一人物だと疑っていなかった。

そして殺害シーンは本当にドキドキハラハラで手に汗にぎった。

達郎が起きてしまうんじゃないか、抵抗して失敗するんじゃないか、

達郎の姉から途中で電話がかかってきた時は、思わずテレビの前で声を出してしまった。

最後までとどめを刺そうとする二人の演技も迫真していた。

二人でやっているとはいえ女性。男性の首を左右から絞めるのはとても怖かったであろう…

そして無事に殺害は成功し緻密なすり替え作業も順調にいっていたのに、

夫と同じ顔をしている心優しい林にまさかの恋をしてしまったカナコ。

これに対して見ている私は本当に終始イライラしていた(笑)

人を、それも自分の夫を親友と殺害したのに、恋なんてしている場合ではないだろう。

しかも相手は夫のすり替え役。ドラマとは分かっていても、はぁ?!嘘でしょ?!と思ってしまった。

カナコの為に一緒に殺人まで犯してくれたナオミを裏切って、こっそり林と会うカナコ。

林もまたカナコに惹かれ、詳しい殺害の事など何もわかっていないのに、のほほんと恋をしている様に見え、

私は林にもイライラしてきた(笑)(いつもヒステリーなわけではないのであしからず。ドラマに入り込みやすいのだ…)

一生懸命すり替え作業を頑張っているナオミが可哀そうで、いっそもう早く何もかもバレてしまえばよいのに!!

と憤慨していたのを覚えている。

こんな状況で恋が出来るってことは、カナコは達郎の顔は本当に好きだったという事なのかな…(笑)

そんな中、林と一緒にいるカナコを見てすべてを察し、大激怒のナオミ(そりゃそうだ!!)

一度は完全に絶縁になってしまう二人だが、結局仲直りして二人で上海に逃げる事を決心する!

ここまではイライラしっぱなしの私も、この辺りから再び二人を応援するようになっていた。

一度は警察に連れていかれながらも、李社長にたくさん助けて貰いながら二人とうとう逃亡を図ろうとする…!

空港での接戦・追い詰められていく二人

達郎の姉貴が、本当に探偵なんじゃないの?!と思うくらい鋭くて二人を追い詰めていくわけだが、

この辺りからまた姉貴に対してイライラが始まってしまった(笑)

もう姉貴はおとなしく黙ってて!と思っていた。

姉貴も自分の仕事があるだろうに、ほったらかして(いるように見えた)失踪したといわれている弟の手がかりを探そうと必死!

いつも必ず黄色いコートを着て現れるのだが、趣味悪いなー…と思っていた(きっとブランド物で高いんだろうけど…(笑))

とうとう達郎を二人が殺したことに気づいた姉貴は、二人を捕まえようとがむしゃらになるが、

李社長の計らいもあってギリギリのところでいつも二人は助かる。

この李社長がまた面白すぎる!演じるのは高畑淳子さん!本物の中国人のように見えてしまうからまた面白い!

このドラマが放送されているときは、よくふざけて李社長の物まねをしていたな…

それと同時に林の物まねもしていて、同僚を笑わせていた(笑)

今でも中国人の演技をするようなドラマのワンシーンを見るたびに、李社長や林を思い出してふき出している。

最後の空港での白熱したシーンは、殺害のシーンよりもハラハラしてしまった。

またまた黄色いコートで探偵と追いかけてくる姉貴。その表情はもう鬼のよう!

もう来なくていいから!おとなしく自分の仕事してなよ!と思ったが、自分が家族を殺害されたら確かに黙っちゃいられない。

しかも犯人は罪を償わずに海外に逃亡しようとしている。

しかしここまで執念深い姉貴なんだから、最初からDVを姉貴に相談したら良かったのでは?(笑)

達郎もなんだか姉貴には頭が上がらないような感じだったし、

それこそ自宅にカメラを設置して、それを姉貴や達郎の家族に見せたらよかったのかも…。

姉貴に知られてしまったら達郎もそのあとカナコを追い詰めることはできないし、手は出せなかった気がする。

ましてや達郎はエリート銀行員。そこまで馬鹿なことはしなかったと思う。

ドラマを見ながら何度もそう思ったが、それじゃ逆にここまで面白くなかったかもしれない。

結末の謎

ラストシーンは空港まで警察が入ってきて、万事休すか!!と思った視聴者は多いだろう。

しかし、結局どっち?!と思うような終わり方だったので、終わった後必死でいろいろ検索した。

一番最後のシーンで二人がへらへらしながら空港を歩いているシーンで終わるのだが、

もうすぐ捕まるのにへらへらしちゃって可哀そう…とも思えた。

しかし別の見解の人もいて、実はあれはもう上海に降り立った後のシーンで逃亡は成功した!という見解もあったのだ!

確かに二人は上着を脱いでいて、フライトを終えたような雰囲気にも見えた…もちろん私は後者の方だと信じている。

総評

確かに殺人は重い罪だが、必死で幸せになろうとするカナコ、そのカナコを必死で助けようとするナオミ。

犯罪者なのに二人をここまで応援できたのは、これまでの辛さや頑張りがしっかり描写されていたからだと思う。

ドラマではあるが、今も二人が幸せに上海で暮らしている事を祈りたい。

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