探偵要素が全然無いんですけど…… - 悪夢探偵の感想

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悪夢探偵

3.753.75
映像
3.75
脚本
3.75
キャスト
3.75
音楽
4.25
演出
3.75
感想数
2
観た人
2

探偵要素が全然無いんですけど……

3.03.0
映像
3.0
脚本
3.0
キャスト
3.0
音楽
4.0
演出
3.0

目次

探偵の物語を期待していたら、全然違った…!

「悪夢探偵」を視聴した感想です。
タイトルから想像するに、もっとマンガのような内容なのかと思いましたが、とんでもなかったです。
作品の、根幹にあるのは、「自殺願望」ということでいいんでしょうか。
「死にたいという欲求」との戦いみたいなことなんでしょうかね。
主人公の影沼京一からして死にたがっていて、作品全体に陰鬱な雰囲気が漂っています。 

おぞましい映像の連続で、まさに「悪夢」という感じです。
血も沢山流れますし、個人的には苦手な部類の映画です。
それでも、「この先どうなるんだろう?」とストーリーに引き込まれますし、痛々しいのに不思議と目が離せません。
サスペンスともミステリーともカテゴライズできない作品だと思いました。
視聴した後の、緊張感がほどけてホッとする感じは、ホラー映画を見た後に一番近いかもしれません。
ストーリーは、死への絶望の中、それでも生まれた幸福を思いだし、「死にたくない」という強い意思を慶子取り戻すという、前向きな終わり方だったと思います。そこは好感が持てました。
でも、もう一度見たいとは思わないですね。
刺激の強いシーンが多いので、何度も見たい作品ではないと思ってしまいました。

また、映像面では、カメラワークがちょっと揺れすぎの所が気になりました。
何が映っているのかが分からず、モヤモヤしました。

「嫌だ、嫌だ…」超ネガティブモンスター主人公の誕生!


また、影沼の冒頭の「嫌だ嫌だ…」というセリフも、近年稀に見る不気味さと陰鬱さで、「本当にこの人が主人公なの?」という感じでした。

その次に登場したときには、首を吊るのを失敗していますからね…。
類を見ない主人公像ですし、インパクトは抜群です。
普通、主人公って見ている人に好かれようと描くと思うんですが、そういう感じが一切しないですね。
そういう意味では面白いキャラクターだと思います。

しかし、あれだけ人の夢に入るのを嫌がっていた影沼が、なぜ最終的に慶子を助けようと思ったのか?は、ちょっと説明不足だったかなと思います。

また、影沼は母親に殺されかけた過去があり、死にたいと思っているのは分かりますが、それ以外の人間性が伝わって来なかったのも、勿体ない感じがしました。

人の夢に入れるのか、それとも人の心の中に入れるのか、能力の設定も曖昧で、時々少し意味が分からない所もありました。
また、そこがぼやけていると、影沼の本当の苦しみもよく分からないように感じました。

人の夢に入れる(心の中に入れる?)ような、強烈な個性がありながら、それに見合うだけのキャラクターになっていなかったのは、すごく残念です。
こちらは「悪夢探偵」というタイトルから、探偵作品や、キャラクター作品を期待しているので、ちょっと肩透かしを食らった感じは否めません。

また、女刑事の慶子に関しても、キャラクターの裏付けが浅い感じがしました。
慶子もまた、自殺願望を心の内に秘めているキャラクターですが、なぜそうなったのか?が説明不足だったかなと思います。
「なぜこうなった?」という自問自答に対して、内なる自分は「分からない」と言う…。
確かに現実的な事を考えると、死への羨望が心に沸き上がるような精神状態では、「なぜ死にたいのかも、もはや分からない」というセリフもアリなのかな、と思います。

ただ、それは慶子の個人的な自己分析に止めておいて、「自殺願望を抱くまで、慶子が精神的に追い詰められている」所が見ている人に伝わる演出があれば、もっとリアリティーがあったかなと思います。
例えば、慶子自身はストレスを自覚していなくても、ストレスを感じたときに無意識にするクセがある、というような事です。

ただ、慶子の夢か現かの境界線が、だんだん分からなくなっていく演出は良かったです。
真相心理の自分と、現実の自分が近づいていくようでした。

0の設定については、言及するのはやめよう…!


また、0は最後は死んでしまいますが、目を覚ます展開ではダメだったのですかね。
0は危篤状態にありながら、電話口で人の夢に入り、殺人を犯していました。
0の電話口でのセリフは、絶望をちらつかせ、死へ誘う感じがしました。

夢に入った慶子は、0の真相心理に触れています。
それを真相心理の救済と捉えるなら、死ぬよりは生きて罪を償う展開の方が、納得はいく気がしました。

また、結局0の破壊願望はどこを目指していたのか?もよく分かりませんでした。

「すごいことやってやろうぜえ!」みたいなセリフもありましたが、あまりに手がかかる犯行ですし、それで何を得られるというのでしょう。

犯行に際して、精神的な愉悦があったのかも判然とせず、「何がしたいんだ」という感じは見ていてしました。


それにしても、どうやって意識を失って、携帯を持って話していたんですかね…。病院関係者にもバレずに…。
携帯の持ち主も特定されませんし…。
まあそのあたりは言及しませんけど…。 

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危うい世界観にのめり込む/流血が多いので苦手な方は注意を

昔、心理学を勉強していた時期があったので、『悪夢』というテーマにひかれて、あまり内容を確かめずに観ました。後で確かめたら、分類上はホラーでした。確かに、心理学というよりオカルトっぽい内容です。流血シーンが多く、かなり生々しく描かれているので、血が苦手な方は避けた方がいいかもしれません。夢を見ながら自分を切りつけるという不可思議気な事件を追うために、自殺者たちが最後にかけた相手『0』に自ら電話する女性刑事をhitomiさん、他人の夢(心にも)に入れる能力を持った自殺願望のある不思議な青年を松田龍平さんが演じています。他にも、囮捜査のつもりが自殺してしまう刑事の安藤政信さん、ベテラン刑事の大杉漣さんなど、皆さんいい演技をなさっていると思います。鍵となる『0』は監督・脚本の塚本晋也さんが演じているのですが、これもまた迫力満点です。物語は不可思議な感じなので、評価はわかれるところかなと思います。はま...この感想を読む

4.54.5
  • 月読三葉月読三葉
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  • 630文字

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