スケールの小さい半沢直樹 - 花咲舞が黙ってないの感想

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花咲舞が黙ってない

3.503.50
映像
3.50
脚本
3.00
キャスト
3.67
音楽
3.50
演出
3.17
感想数
3
観た人
4

スケールの小さい半沢直樹

3.03.0
映像
3.0
脚本
2.5
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
2.5

目次

もっとスカッとさせてください

「花咲舞が黙ってない」を視聴した感想です。
この作品は、銀行をテーマにした作品を数多く書いている、ベストセラー作家の池井戸潤さんの著書が原作となっています。
過去にTBS系で放送され、大ヒットとなったドラマ、「半沢直樹」でお馴染みの池井戸さんの原作作品とあって、かなり期待していたのですが…。
私個人としては、あまり面白さが分からなかったです。

全話ではありませんが、まず、ストーリーがワンパターンだなと思いました。
このドラマの一番の見所は、毎回鼻持ちならない支店長や役員に、主人公の花咲舞が「あなたは間違っています」とズバリと言ってのけるところだと思います。
そのために、ストーリー前半では、悪い奴がどれだけ悪い奴かを見せるシーンが延々と続きます。
そこの部分が非常に長く、見ていてイライラしました。
最後にスカッとさせたいがために、そうしているのは分かるのですが、例えばコミカルなシーンを入れるとか、息抜きのできるシーンがあった方が良かったと思います。
これでは結局、前半で悪い奴の説明をし、後半でとっちめるだけのストーリーにしか見えませんでした。
ですので、視聴者としてずっとストーリーを追うだけの、興味を惹き付けられるものがあまりないように感じてしまい、一時間のドラマとしては長く感じてしまいました。

視聴者がスカッとするシーンは大事ですが、このドラマには、他に見所はないのでしょうか?
一時間のドラマですから、もっと他の要素も入れた方が良かったのではないでしょうか。
コミカルなシーンもなく、女性が主人公なのに恋愛要素もなく、ストーリーに惹き付けられるような謎もない。
正直、悪い奴の説明部分を簡単にすれば、30分でも収まってしまうような内容だと思いました。

ドラマ「半沢直樹」のような物をやりたいのは、すごく伝わってくるんですよね。
私も半沢直樹を視聴していて、半沢の「倍返し」には毎回スカッとさせてもらっていましたし、面白かったと思います。

ただ、半沢直樹はその部分だけではなく、きちんと半沢直樹というキャラクターを描写していたと思うんですよね。

子供の頃に、銀行に貸付を渋られて実家の町工場が倒産、父が自殺するところから始まり、学生時代や新入社員の頃どんな様子だったのか、とか、現在の仕事ぶりや出向までの道のり、妻との関係性に至るまで丁寧に描かれています。

ですので、物語としても面白かったですし、キャラクターにも説得力があって、感情移入して観ることができました。

そのあたりが、この作品はおざなりになっているように感じられ、まるで「半沢直樹」のスカッとさせる部分だけをやろうとしているように見えてしまいました。

銀行の世界観が分かりづらい



また、全話ではありませんが、銀行という特殊な世界を舞台にしていながら、それについての説明が不足している印象もあります。

主人公花咲舞は、大手メガバンクの本部社員として、「臨店」という職務についていてます。これは支店に何か問題があると出向いて行って、指導をする、という役所です。
視聴者としては、「この役職は、監査役のような感じなのかな?支店の役職よりも上なのかな」というように見ていましたが、いざ支店に出向いて行くと、支店長にものすごく高圧的に出られてしまうわけです。
そうした銀行での上下関係が、ちょっと分かりにくいように感じました。

池井戸潤さん原作のドラマ「半沢直樹」や、「ようこそ、我が家へ」は、組織図解やナレーションで説明があったのですが…。

また、金融庁からの監査にも、同じように分かりにくい点がありました。
まず、金融庁と銀行の関係性がどうなっているのかが分かりませんでした。
金融庁の青田という担当者が、いかにも悪役というように強引に監査を行うのですが、そもそもなぜそこまでやるのか?が分からなかったです。
作中で、青田が支店長に個人的な恨みを持っていることが明かされますが、それを差し引いても、まずどういう目的で監査が行われるのかが説明されておらず、話についていけませんでした。
青田に「絶対に隠蔽している資料を探せ!」というセリフもありますが、銀行の隠蔽に正当な理由があるのかが分からず、「隠蔽している銀行の方が悪いんじゃないの」と、主人公側に立ってドラマを観ることができませんでした。

また、銀行というのは現実的にも、こんなに縦社会なのでしょうか。
支店長や上役はものすごく高圧的で、セクハラパワハラが当たり前。部下に対して命令口調のようですが、今のご時世で一流企業で、こんなことがあるのでしょうか。
また、金融庁の青田も、銀行に対してものすごく高圧的に出ていますが、こんな人がいるのでしょうか。暴力団にしか見えませんが…。

現実と地続きの世界観を描くのであれば、そこは、リアリティを欠くべきではないと思います。
しかし、現実でもこのような体質なのであれば、結構特殊ですよね。
その辺りが分かりづらいので、もう少し視聴者目線で説明してほしかったと思います。

主人公が相馬に見える


また、主人公の花咲舞があまり活躍していないように感じてしまいました。
花咲も頑張ってはいるのですが、最後のトドメは、いつも上司の相馬が刺しているように見えました。
全話ではありませんが、大体最後の最後に、逆転できるだけの何かを持ってくるのは相馬ですからね。
本当に花咲は「黙っていない」だけに見えてしまいました。
相馬が頼りになる上司というように、演出したいのは分かるのですが、花咲には口だけではなく、もう少し主人公として活躍して欲しかったと思ってしまいました。

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一般人にわかりやすい設定。銀行内部のストーリーにしては、一般人にもわかりやすい設定になっていたと思います。始めは花咲舞のキャラが好きになれず、展開的にはワンパターンだなと思うことがありましたが、話が進むごとに作品に引き込まれている自分がいました。主人公が、中間管理職や役員ではなく、平社員の女子行員だったことが、親しみを持ち易かったと思いますし、上司の相馬さんが人情味に溢れていてかっこ良く、好感を持つことが出来ました。キャストも豪華で作品のキャラに合った方々だったと思いますので、その点でも見易かったと思います。 まさかの臨店班。設定としてはわかりやすく、親しみを持ちやすいですが、主人公達の部署はわかりづらいですね。臨店班とは、分かりやすく言えば、調査班。銀行には、各地方に多くの支店があり、本部には多くの部署(総務部や融資部等)があります。銀行員も人間なので、小さいミスから大きいミスをして...この感想を読む

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