まさにそれは自分が言いたいこと!ドラマの中で代わりに物申す - 花咲舞が黙ってないの感想

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ドラマレビュー数 1,147件

花咲舞が黙ってない

3.503.50
映像
3.50
脚本
3.00
キャスト
3.67
音楽
3.50
演出
3.17
感想数
3
観た人
4

まさにそれは自分が言いたいこと!ドラマの中で代わりに物申す

4.04.0
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
3.5
音楽
3.5
演出
4.0

目次

痛快!銀行の問題を解決、信用を守る二人の行員

銀行はお金を預けたり、時には融資を頼んだりと、お互いの信用の上で成り立つ企業である。中小企業にとっては、融資のいかんで、その先の経営が影響される。銀行に頭が上がらず、ぎりぎりのところで日々を暮らしている人はたくさんいる。だから、銀行など金融業界はお金にまつわる不祥事は絶対にあってはならない。それを監査するのに、各企業独自の監査体制を持っていたり、金融庁の監査が突然入ったりする。だが、実際はすべての人がお金に正しく、預金者を守ろうと考えているわけではないらしいのが現実だ。金融業で働く社員にも生活があり、個々の事情でお金に困ることがあれば、いつでも大金が目に見える環境で働く中、つい目がくらむことがあるのかもしれない。不祥事はときどき世間に公表され、銀行にとって最も大事な信用は失墜する。このドラマは、こうした不祥事を隠そうとする上層部と対立し、正しい銀行を唱え、監査という自身の任務を全うする女性行員とその上司の痛快なコメディドラマである。銀行員として正しさと向き合う一方、ヒロインの花咲と上司の相馬の掛け合いは、痛快で、すがすがしい。かたいイメージのある銀行員だが、砕けた印象を持ち合わせ、先入観を覆すような関係だ。

お互いが刺激し合って、良き相棒誕生

ヒロイン・花咲舞と、上司の相馬は、正反対の性格を持っている。花咲は情熱的で、銀行の間違いをなんとしても正していかなければならないという、どちらかといえば今時珍しい熱血タイプであり、相馬は、この銀行では仕方がない、これが、この銀行での常識なんだと、半ばあきらめムードのタイプである。銀行員としての過去が相馬をそうさせたというが、実際、上に物申せる人は少ない。波風立てないよう、静観しているのが常であろうと思う。言いたいことが言えずに、手をこまねいてる人が多いのではなかろうか。そこを花咲が好き放題言葉を発することで、相乗効果が発揮される。このもやもやから開放されるのである。そんな花咲に刺激され、相馬自身も考えを改め、その経験と知識を遺憾なく発揮されることで、このドラマは銀行の闇をきっていくのだ。この掛け合いが、ドラマとして痛快な、コメディの要素を成り立たせている。大事な局面では無駄に突っ走らず、そしてプライベートでは、好きなことを言い合う姿が笑いを誘う。相馬は冷静で、ひょうひょうとしていて、一見何を考えているのか分からない雰囲気を感じるが、花咲にとっては良い上司像なのだろう。趣味の食べ歩きを、グルメ本片手に二人で話している姿は、なんとも微笑ましく、今後二人の恋愛としての発展を期待してしまいたくなった。

銀行全体の闇を、最終回できる

最終回、頭取の不祥事を暴くために、二人で株主総会に乗り込み、決めゼリフである「お言葉をかえすようですが」と啖呵を切る様子は、実際にはまずありえないシチュエーションだろう。だが、これまで何かと天敵のような存在だった新藤常務の本当の顔を知り、そして、常務も「お言葉を返すようですが」と口にしたことは、最も印象に残った場面であり、最終回らしい爽快感を得ることができた。新藤常務にとって目の上のたんこぶのような存在だった二人に促されて、今まで言えなかった、だけど言うべきことであったことを総会で堂々と述べ、張本人である頭取を解任させた瞬間は、もう一度見たくなる。それが、裏がない、クリアな銀行を作るため、本格的にメスが入った瞬間で、時にはこうした思い切ったことがどの企業にも必要であることを教えてくれるのである。銀行のお金の動きは難しく分かりにくいものもあるが、その分かりにくさをなくし、全体的に明るい描写で、ただ銀行を正すという一つの目標を達成に向け、一直線に描いた演出だった。

ストレス解消、花咲語録

「お言葉を返すようですが」、「間違っていることをどうして間違っていると言えないのですか?」、「おかしいじゃないですか」、「こんな銀行腐っている」などなど、花咲がよく口にする言葉である。社会に出て働いたとき、誰しも一度はこんな言葉を言いたい場面に遭遇したことだろう。ドラマを見て、自分の代わりに花咲が言ってくれた気分になれる。持ったストレスを解消してくれる。実際は、なかなかはっきりと口にすることは難しいと感じる人が多いのが現実だ。だが、言いたいことは言うのも、時には必要であることを教えてくれる。不祥事を起こす人、それを擁護する人、犠牲になる人、ただ見て傍観している人、勇気を出して訴える人。問題を抱えた支店では、こういう役者で成り立ち、そして現実社会にも通じるものがある。傍観する人が大半で、波風は立てず、でもこのままではいけないことを心のどこかで感じている。そんな人たちに強く訴えかけているような気がする。自分らしく働くことのできる環境を作るのも自分次第ということだ。ところで、地方に左遷された新藤常務が本店に戻る日はあるのだろうか。また花咲との対決はあるのだろうか。続きが気になるドラマである。

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他のレビュアーの感想・評価

スケールの小さい半沢直樹

もっとスカッとさせてください「花咲舞が黙ってない」を視聴した感想です。この作品は、銀行をテーマにした作品を数多く書いている、ベストセラー作家の池井戸潤さんの著書が原作となっています。過去にTBS系で放送され、大ヒットとなったドラマ、「半沢直樹」でお馴染みの池井戸さんの原作作品とあって、かなり期待していたのですが…。私個人としては、あまり面白さが分からなかったです。全話ではありませんが、まず、ストーリーがワンパターンだなと思いました。このドラマの一番の見所は、毎回鼻持ちならない支店長や役員に、主人公の花咲舞が「あなたは間違っています」とズバリと言ってのけるところだと思います。そのために、ストーリー前半では、悪い奴がどれだけ悪い奴かを見せるシーンが延々と続きます。そこの部分が非常に長く、見ていてイライラしました。最後にスカッとさせたいがために、そうしているのは分かるのですが、例えばコミカルなシ...この感想を読む

3.03.0
  • naonao
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爽快なストーリー!

一般人にわかりやすい設定。銀行内部のストーリーにしては、一般人にもわかりやすい設定になっていたと思います。始めは花咲舞のキャラが好きになれず、展開的にはワンパターンだなと思うことがありましたが、話が進むごとに作品に引き込まれている自分がいました。主人公が、中間管理職や役員ではなく、平社員の女子行員だったことが、親しみを持ち易かったと思いますし、上司の相馬さんが人情味に溢れていてかっこ良く、好感を持つことが出来ました。キャストも豪華で作品のキャラに合った方々だったと思いますので、その点でも見易かったと思います。 まさかの臨店班。設定としてはわかりやすく、親しみを持ちやすいですが、主人公達の部署はわかりづらいですね。臨店班とは、分かりやすく言えば、調査班。銀行には、各地方に多くの支店があり、本部には多くの部署(総務部や融資部等)があります。銀行員も人間なので、小さいミスから大きいミスをして...この感想を読む

3.53.5
  • ささみささみ
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