アラフォー女子VSおっさんの婚活ドラマ - 私 結婚できないんじゃなくて、しないんですの感想

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ドラマレビュー数 1,147件

私 結婚できないんじゃなくて、しないんです

4.004.00
映像
3.33
脚本
4.00
キャスト
3.77
音楽
3.43
演出
3.67
感想数
3
観た人
6

アラフォー女子VSおっさんの婚活ドラマ

4.04.0
映像
3.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
3.0

目次

本当に「モテる」極意を教えます!

この作品は、水野敬也さんの著書「スパルタ婚活塾」を原作としています。
スパルタ婚活塾は、「女性読者への読みやすさを廃し、モテの本質だけを熱く伝授する」というコンセプトで作られた作品です。

これまでの女性を対象とした恋愛教則本は、女性が好みそうなお洒落な表紙、装飾がほどこされ、美人の作家が書き下ろしたものでした。

しかし、「スパルタ婚活塾」は、男性である筆者が男性目線で女性に恋愛のアドバイスを送るという核心的な内容で、装飾どころか白地に筆の汚い字で格言が書きなぐられているページもあります。

作者の語り口調も、「いいか、よく聞けお前ら」というような、いかにも熱い塾講師のようで、これまでのハウツー本にはなかった、新しいスタイルの「モテ教則本」となっています。

それをそのまま擬人化したような存在なのが、藤木直人さん演じる十倉誠司です。
十倉は知らず知らずのうちに「結婚できない女」になってしまったみやびに、ストレートにモテる極意を伝授していく存在です。

しかし一方で、彼自身が生活のこだわりが強く、頑固な性格からバツイチになってしまった、「女性から見て結婚したくない男」でもあるのが面白いところです。

モテない三重苦を背負った女!

そんな十倉からモテるためのルールを伝授され、成長していくのが主人公の橘みやびです。

みやびは美人で年収も1000万を超えており、医師としての地位も名誉も手にしている女性です。
ところが、十倉から「お前は美人、キャリア、アラフォーという、モテない三重苦を背負っている」という挑発的な言葉を投げ掛けられたことをきっかけに、婚活を始め、現実と向き合っていくこととなるキャラクターです。

みやびは「スパルタ婚活塾」で想定されている、「こんな女はモテないぞ」というエッセンスを詰め込んだキャラクターです。
常に選ぶ立場にいるかのように相手を値踏みし、文句を言って勝手に価値を下げ、どんどん交際の幅を狭めてしまっている女。
また、原作での「SATC臭のする女はモテない」をコンセプトに、同じような女友達との女子会でつるんでいます。
ここでの「SATC臭」とは、「海外ドラマ、セックス・アンド・ザ・シティに出てくるような、高キャリア、高収入のギラギラした独身女達」という事です。

みやびは最初は「何であなたにそんなことを言われないといけないの?」と反発しますが、(視聴者にもそう思った人は、いるかもしれません)実際に婚活をすることで、だんだんと十倉の言葉に耳を貸すようになります。

ここまでが表面的な、いわゆる「結婚できない女」のみやびのキャラクターです。

しかし、このドラマではみやびを「イタい高齢独身女」として描くだけではなく、きちんと人間味も与えているのがいいと思いました。

家では意外と、すっぴん眼鏡のジャージ姿で、漫画を読んで寛ぐのが好きだったり、好きな人に緊張してしまって、何も言えなくなってしまったり…。
作中には時々回想として、みやびの高校時代が登場しますが、それはみやびが、あの時のままのウブな気持ちを未だに抱いている、ということでもあると思うんですよね。
計算高く異性と付き合ったり出来なかった結果、未だに独身という結果にもなっているようにも思えます。

一見完璧で傲慢な女性に見せかけて、実は本質的なところは不器用な性格、というところに好感が持てました。
同じように婚活をしている女性にも、共感を得られたのではないでしょうか。

ドラマとして、残念だった点

ただ残念だったのは、みやびが意中の桜井と付き合えたのにも関わらず、最終的に十倉を選んだ事でした。
どうしてそうなったのかが、よく分からなかったです。
桜井はいい人ですし、特に問題もなく付きあっているように見えました。
交際の中で違和感を感じたり、背伸びをしている自分に気がついたり、といった描写があれば、そういう結末にも納得がいったと思います。
しかし、そうではなかったので、唐突にみやびが十倉を好きになったようで違和感を感じました。

また、十倉を好きになるということは、結局「気持ちの赴くままに恋愛をする」ということで、原作本の言いたかった、「アラフォーの婚活は辛いぞ。現実を見て計算高くなれ」というテーマと一致しないのでは?と思ってしまいました。

そして、そもそも桜井がいい男のように設定されているのが理解できませんでした。
確かにイケメンで背も高くて、高収入で…ということは分かるのですが、申し訳ないですが、徳井義実さんだと、ちょっと説得力に欠けるビジュアルでした。
どうしてこんな大事な役を、俳優さんではなく芸人さんにしたのでしょう?
また、徳井さん自体が変態キャラで売っている芸人さんなので、桜井君も誠実には見えなかったです。
そして、一番違和感があったのが、元カノが21歳ということ…年下すぎて、ちょっと気持ち悪いと思ってしまいました。

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