笑いながら知るイタリア(+数か国)の食文化 - それではさっそくBuonappetito!の感想

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それではさっそくBuonappetito!

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笑いながら知るイタリア(+数か国)の食文化

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目次

世界を股にかける漫画家・ヤマザキマリは何を食べてきたか

 

世界各国を渡り歩いたヤマザキマリさんが食について描いたエッセイ漫画。

『モーレツ!イタリア家族』や『イタリア家族風林火山』がツボで読むたびに爆笑していたので、このエッセイでも食について…というより、笑わせてもらえるかも、という期待を持って読んだ。

 

イタリアを第二の故郷とする彼女だけに、イタリアの食事情が半分以上を占めているが、一時期移り住んでいたポルトガルでは魚が多く食べられており、海辺の町では日本のような干物を作る光景が見られるなど、遠く離れた国で同じような食文化が形成されているくだりは興味深い。

 

ヤマザキマリさんがパワーが欲しいときに食べたくなるという、ブラジル北西部の名物・ムケッカが、今私が食べてみたい料理No.1だ。

日本にももちろんブラジル料理はあるので食べようと思えば食べれるのだが、残念ながら食べ慣れない料理に一緒にチャレンジしてくれる友人がいない。今度輸入食品店に行く機会があれば、レトルトのムケッカがないか探してみようと考えている。

 

お金がなくてもおいしいイタリアンの代表格・ペペロンチーノ

 

イタリア料理というと、今でこそカジュアルなレストランも増え、気軽に食べられるようになったが、バブル時代には「イタ飯」と呼ばれカップルがおしゃれに食事をするお店というイメージがあった。

だが本作に出てくるイタリアンは、イタリアで貧乏学生生活を送っていたヤマザキマリさんならでは。お金がなくてもおいしく食べられる、まさしく庶民の味が紹介されている。

 

ヤマザキマリさんがイタリアで十年ほど暮らした後、帰国した日本で友人とイタリア料理を食べに行き、ペペロンチーノが千五百円というのに驚くシーンがあるが、これに関しては私も同じことを思った覚えがある。なぜ肉・たまねぎ・トマトなどのいろいろな具材からできるミートソーススパゲティと、ペペロンチーノの値段があまり変わらないのか。だって、オリーブオイル・にんにく・唐辛子・塩だけでしょ?!

ペペロンチーノを頼むとなんだか損な気がして、イタリア料理のお店に行ってもペペロンチーノを頼んだことはほとんどなかった。(ほとんどと言うのは、味を知っているので一回は頼んだことがあるはず…という予想。すでに記憶にはないが)

この漫画を読んで、やはり…と思った。ペペロンチーノは安上がりでおいしいイタリア料理なのだ。

各章の最後にはヤマザキマリさんの絵入りレシピと食に関するエッセイが載っていて、どれもおいしそうなのだがいかんせん手がかかるものも多く、私がこの章末のレシピを見て作ってみたのはペペロンチーノだけ。しかもイマイチな仕上がりだった…。

何度かチャレンジしたが、ペペロンチーノがおいしくできたためしはない。レシピ通りにやっているはずなのに、何が違うのか?日本のイタリア料理店でペペロンチーノにそこそこの値段がつくのは、高いオリーブオイルやにんにくを使っている、というのもあるだろうが、シンプルな料理をおいしく仕上げる技術料も入っているに違いない、と私は思っている。

 

魅惑のペースト、イタリア男がママの次に愛するヌテッラ

 

本作を読んでいて食べたくなったものは、冒頭で書いたムケッカ以外にもいろいろある。ナイフで切って食べる、ポルチーニのグリル焼き。「トミーノ」や「アジアーゴ」という聞き慣れないチーズをオリーブオイルで焼いたり、レンチンしてハチミツがけにしたもの。

残念ながらチーズ類は日本で手に入るとしても、珍しいものは値段もお高いだろうし簡単に食することはできない。が、イタリアのサッカー選手トッティもぞっこんの「ヌテッラ」。これは嬉しいことに日本でも手に入る!チョコレートが大好きでヘーゼルナッツチョコなんていくらでも食べられる私からすると、まさに夢のペースト。輸入食品店で見かけたことはあったが値段が高く買ったことはなかったのだが、このエッセイ漫画を読んだ後、我慢できなくなり自分へのご褒美と称して買ってみた。

 

もうそれはチョコ好きにはたまらないワンダーランド…なのだが、怖いのが抑えきれなくなる食欲とカロリーオーバー。常備していたら年々体重が増加していくのは目に見えているので、買うのは半年に一回だけ、と自分に制限をかけるようにしている。イタリアのスキーのチャンピオンが、減量中に耐え切れずにヌテッラを盗み食いする…というエピソードに激しく共感してしまった。

 

ギャグとリアルタッチのイタリアンでごちそうさまな一冊

 

ワタシ的に本作で一番ヒットだったのが、イタリアの食べまくりのお正月が終わり、まん丸に太った舅・アントニオと、それを見て驚くヤマザキマリさんがリアルタッチで描かれているシーン。親しみやすい簡潔な絵柄の漫画がいきなり劇画調になると、それだけで笑える。

 

笑わせてもらえるかと期待して買った漫画だったが、きちんと絵の勉強をしたヤマザキマリさんだけあって、紹介されている料理はどれもおいしそう!読んでいるとお腹が空いてくるという難点はあるが、17品のレシピもついていて、なかなかお得感のある一冊となっている。

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