もっと美味しそうに撮ってほしい - 食の軍師の感想

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食の軍師

2.002.00
映像
1.00
脚本
1.00
キャスト
2.00
音楽
2.00
演出
1.00
感想数
1
観た人
1

もっと美味しそうに撮ってほしい

2.02.0
映像
1.0
脚本
1.0
キャスト
2.0
音楽
2.0
演出
1.0

目次

着眼点は面白い

食の軍師は、料理の美味しさがテーマではありません。「この料理は自分はこう食べたいと思っているんだ」という、メニューに対しての個人の流儀、こだわりがテーマとなっています。

寿司の頼み方、トンカツはどこから食べるか…誰もが自分のルールを持っていると思います。料理をただ「おいしい~」と食べるマンガやドラマは巷に溢れていますが、ここに着目したマンガは中々ないので、着眼点は新しく、面白いと思いました。

テーマとなるメニューも、おでんや寿司、蕎麦やバイキングなど、「なるほど、それは自分ルールがあるよね」と思えるようなチョイスで良かったと思います。

テーマは共感できるが、内容がイマイチ

ただ、肝心のドラマの方は、満足度が低いと感じました。

まず主人公の本郷に全く愛着が沸きません。

こだわりが強くて、グルメ面してすぐに人を見下し、酒でみっともなく乱れる。しかもスケベ。

こんな主人公が視聴者から愛されるには、相当可愛いげを出していかないと厳しいですが、残念ながら伝わってこなかったですね。

原作だと漫画なので、もっとマイルドにみられますし、心の中で誰かを見下していても、そんなにバカにしている感じではないんですよね。

外食の楽しみでホクホクしている程度に見えます。

誰しも外食は楽しいもので、心の中では独り言も言うだろうし、その程度の感じに見えます。

それに比べてドラマの方は、演技過剰に見えました。

本郷が本当に嫌みな感じに見えてしまい、引いてしまいました。

本郷のどや顔が好きになれませんでした。

主人公を好きになれないと、ドラマも面白く観られないですよね…。

何かを食べるシーンも、「俺はこうやって頼んで食うんだ。どうだ通だろう」という気持ちばかりが伝わってきて、全然美味しそうに見えませんでした。

私の解釈ですが、本郷は周りの客や店員から通だと思われたい気持ちもあるかもしれませんが、純粋に食事を楽しんでもいると思うんですよね。

周りの目よりも、食べ方のルーティンを楽しむというか。

現実でも、それを含めての一人飯の楽しさだと思うので、もう少しそのワクワク感が伝わってくれば良かったと思います。

同じ原作者の人気ドラマ、「孤独のグルメ」と比較すると、外食のワクワク感はやっぱり物足りない感じがします。

孤独のグルメでは、食の軍師とは逆で、食事を冒険と捉えているようで、途中から炒め物をご飯にかけたり自由に食べますが、少しも不快感がなく、美味しそうです。

ゴローさんが人を貶めるようなことを言わないし、主演の松重豊さんの食べ方もキレイだからだと思います。

グルメドラマで食べ方が汚いというのは、結構致命的なんじゃないでしょうか。

そのあたりをドラマ化するにあたって、もう少しフォローできていれば、本郷のキャラクターも変わってきたのかもしれません。残念です。

また、本来物の食べ方なんて人それぞれなのですが、本郷が勝手に力石に対して、「勝った、負けた」と騒いでいるところがギャグパートだと思うので、もっと滑稽に描いても良かったかなと思います。

また、このドラマは現実に物を食べている本郷と、本郷の内なる諸葛孔明のパートに別れているのですが、合戦がショボすぎました…。

低予算番組ということも分かっていますし、迫真の合戦シーンがほしいわけではありませんが、予算がないなら無いなりに撮らないと、「何を見せられているんだろう」と白けてしまいます。

例えば「勇者ヨシヒコ」では、モンスターを段ボールとガムテープでぐるぐる巻きにして作ったり、普通のコアラの人形に、役者が迫真の演技をするなどして乗り気っていました。

ここまで振り切って「低予算ですよー」と笑いのネタにでもしないと、諸葛孔明のパートは笑えないしスベっている印象になってしまうと思います。

だったらわざわざギャグパートを作らなくても、「頭の中の諸葛孔明が語りかけてくる」くらいの演出でも良かったかもしれません。その分料理を映して…。

また、最初になぜかお色気シーン?をいれてくるのですが、必要なんでしょうか。あまり面白くもないし、どうしていつもそこから始まるのか分かりませんでした。お店の名前にも下ネタを織り混ぜているのですが、まずそうに見えるのでやめた方がいいと思いました。

ライバル力石は、好演の印象

このドラマは一貫して、最後には力石が粋な食べ方をして終わるのですが、その締め方は面白いと思いました。

特にバイキングの回は、カニ以外のメニューには目もくれず、ひたすらカニを食べる力石に、「なるほど」と思いました。

それを見た本郷の「あいつバイキングをカニ道楽にしちまった」というセリフも面白かったです。

力石は役者さんの食べ方もキレイで、観ていて面白かったです。主人公がアレな分、相対的に好感度が上がっているのでしょうが…力石は主人公じゃないのに、いいんでしょうか。

力石は最後まで謎の人なのですが、テレビに出ていることも示唆されていて、その辺りも明かしてほしかったです。

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