ダンジョンに出会い求めてもいいと思っています。
主人公の成長が応援できる
弱小主人公が成長・修行の中で変貌を遂げていく物語。小説は続編が続いているが、アニメは第1部のみであるため、今後のアニメ制作・放映が望まれる。主人公ベル・クラネルは、縁あって神ヘスティアの加護に入る。性格も能力も気弱なベルだが、大きな目標を前にくじけながらも前に進んでいく、親心的心情を大いに刺激する作品。最初見たときからキャラクターデザインが好き。主人公は子供なのか設定はよくわからないけど、当初スキル弱小の割に人間出来ているというか、お人よしというか、現代日本ではなかなか生きづらい性格をしているのかも。周りに信用できる人(ギルドスタッフや神様)がいるから、なんとか躓かず、まっすぐ進めている感も否めない。まあ、急激に強くなってダンジョンでの稼ぎも上がっていけるわけだから、生活するうえではだんだん困らないはずだけど。最初のほうは弱いから、「おいおいそんなに無理するなよ」なんて親心をもって視ていたけれど、なんてことはない。強くなるのが早いから、ちょっと斜め上の魔物が出てきても、安心して視ていられる。
女性目線的に、「これどうなの」と思うことがある?
リリことサポーターが出てきた時点では、「お人よしが過ぎるのでは?」なんてことも思ったけど、そこは主人公、笑顔で乗り切るという荒業で難なくクリア。むしろ、アニメ視ながら思ったのは、リリは冒険者が嫌い。そこはわかる。あれだけひどい目にあわされていたら、嫌いになって当然。でもさ、冒険者の中にも女性いるじゃん?なんで小さいリリが蹴られて、転がされて、床の上のご飯を食べているのに、誰も女性冒険者で手を差し伸べる人がいないの?おいおい冒険者になれば女性も非道なのか?いやいやロキファミリアの女性冒険者たちを見ても、心無い冒険者ばかりではないのではないか?と、リリいじめにまつわる冒険者目線に何度か苦言を心の中で唱えることとなった。設定に文句言っても仕方ないのですが、同じ女性としてってことで。 話がリリ寄りになってしまいましたが、そんなリリもベルの率直さに陥落する。
ボス戦に入るレベルが無理すぎる件
そうこうするうちにベルの周りにはもう一人のパーティーメンバーを除けば女性ばっかり。カワ強い(傾向になりつつある)ベルだから、それも仕方のない話。強さを求めて強大な敵にも立ち向かうベル。RPGの世界であれば、私的にはしっかりレベル上げして勝利可能性を最大限まで高めて、装備も持ち物もその時点最高レベルで揃えて立ち向かうところだけれど、難易度高い敵が突然現れるわけだから、不可能を可能にする力ゆえに成り立つストーリー。小心者の私は、そんな敵が出てきてしまった時点で、「セーブいつしたっけ?」を考え、リセットしていける状態であれば即リセット。ダメであれば、憔悴した気持ちで攻略を検討。まずは、逃げるが有効かを確かめ、ダメであれば成せる対処全開で立ち向かい撃沈。その後、悲壮な面持ちでセーブポイントからのやり直し・・・。だいたいボス戦の手前ってセーブできないことが多いよね。ダンジョンとか塔とかに入る手前でしっかりセーブしておかないと痛い目合うよね。せっかくボス倒したのに、ダンジョンから抜けるのに時間制限以内に抜けないとダンジョン崩落とか、ほんと人の心をもて遊んでるよね。・・・と、話が逸れましたが、ベルには無理難題が多いけど、頑張って強くなって、いつかアイズたんを助けられるようなポジションに来ればいいなと思います。今後どう話が展開していくのか楽しみです!
神様の懐の深さに感動できる
この作品には多くの神様が登場します。中でも主人公を支える神ヘスティアは、ベルを第1に考え、ベルのために神様的コネクションを駆使する心優しい神様ですが、ベルを取り巻く人物に対しても広い懐を見せてくれます。基本的には、懐にベルをしまっておきたい神様ですが、その態度の空回りなところもほっこり楽しめます。気になるところは神エスティアの服装!ベル以外に子供(加護を与えるもの)がいないから、貧しい感を出したのか、デザインが斬新。腕にかかる紐がね、必要なのかなんなのか、外れないのかどうなのか、いろいろ気になった当初。後半につれて、「それがエスティア」で、全く気にならなくなったけど。そんな気になりどころ満載の服を着た、乳も大きく可愛い神エスティア。神さまがこの世界にどんな影響をもたらすのか、第1部ではあまりわからないけど、時に見せる神様らしい態度で「あ、やっぱり神様なんだな」と再確認することに。特に、ベルに魔物をなすりつけて逃げてきたパーティーに対する対応を見てると、「真の神対応とはこういうことか・・・」と思うわけで。神エスティアのベルを想う気持ちや行動は随所に出てきて、ベルが強くなるために鍛冶神に武器の作成をお願いして、その支払いを自分でするべく頑張ってアルバイトをしたり、ベルがダンジョンから戻らないことがあれば力を貸してくれる人を探してその者達と共に行動したり。時には、強大な敵に打ちのめされて意識を失っているベルが、再び立ち上がって敵に立ち向かうことを信じてみたり。後半一つはかなり無茶ぶりな感じもしたけど、それでもベルは神エスティアや周りの人の期待に全面的に応えていくわけで。自分を信じてくれる人がいると頑張れるってことだとして、他に登場する神やその子供たちを見ているとベルには居づらそうな感じのところが多いから、ベルは神エスティアのもとに来ることができて良かったなと思う(親心)。
スピンオフもあって多面的に楽しめる
『ダンまち』アニメは第1部のみ制作・放映されていますが、その他に、ベルが目標としているアイズ・バレンシュタインが所属するパーティーをメインストーリーとしたアニメ『ソード・オラトリア ダンまち外伝』が制作・放映されています。小説には、「豊穣の女主人」という名前の店でメイドとして働いているリュー・リオンを主人公としたものも刊行されています。『ソード・オラトリア』も面白かった。アイズたんや他のパーティーメンバーの強くなりたい願望やベルへの切望が入り混じっている感じ。ベートっていうウェアウルフがこれまた口が悪くて、当初ベルを羞恥の底に陥れるわけなんだけど、これがまた腹立たしい。パブの店内に響き渡るようにベルの羞恥を口にしながらアイズたんの気を引こうとするところなんて、それはもうベルファンとしては魔物からの蹂躙死を望むレベル。「まじベートやられろ」なんて思いながらストーリー視てたけど、ベルがミノタウロスを単身で倒すという劇的成長を目の当たりにして、気持ちが焦り高ぶるベートがまたいい。声優の岡本信彦さん、天才漫画家から天才殺し屋中学生まで、ほんといい仕事されていて感激です。ちょうど同時期、二人の漫画家サクセスストーリーを一気視してたから、「あの天才漫画家と同じ声優さんですかー」と感嘆するレベル。個人的には王道ヒーロー物語的な流れが好きだから、やはり第1希望としては本編の続きを切望したいけど、味変え的な意味でもスピンオフは楽しい。リューの話はおそらく、リューが所属してたパーティーが壊滅して、その復讐劇を展開するところをやるんだと思うけど、最後には明るい話、シルに拾われ、救われた話あたりで終わってくれたらいいなと思うところです。
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