まさかこんなに面白いとは思わなかった - こちら葛飾区亀有公園前派出所の感想

豪華すぎる出演者

なんと言っても注目は、この豪華すぎる出演者です。主人公の両津勘吉役は当時SMAPだった香取慎吾さんです。12年ぶりにTBSドラマの主演という事で、かなり注目されていました。どんな役でも演じこなす香取さんは、ハチャメチャ過ぎる両さんの役にはピッタリでした。そして、派出所の紅一点である麗子役の香里奈さんは、髪の色こそ違う物の麗子さんそのものでした。勝気で男勝だけど、いつも両さんを心配している姿がとても可愛らしかったです。ても、1番驚いたのは中川役の速水もこみちさんでした。もこみちさんと言えば、二枚目なクールな役が多かったので、まさかコメディに参加するとは思ってもいませんでした。ですが蓋を開けてみると、もこみちさん以外に似合う人はいません。更に、両さんの父親役である銀次には、アニメ版で両さんを演じているラサール石井さんと言う豪華さ。実は、ドラマ化にあたり原作者の秋本先生が両さん役にはラサールさんを指定していたらしいのです。ですが、ラサールさんご自身が、両さんとご自身の年齢が違いすぎると言う事から辞退されたそうです。ここまで見ても豪華なんですが、ゲストもかなり豪華なんですっ。まず、第一話からナゾのおじさんとして、ビートたけしさんが出ているんですっ。あの「世界のキタノ」がですっ。ほんのわずかなシーンですが、たけしさんが出た時には思わず二度見してしまいました。更には、加山雄三さんがご本人役で出たり、西田敏行さんや中村獅童さんなど、香取さんと交流のある俳優さんも出ていました。それに、同じSMAPのメンバーである稲垣吾郎さんや木村拓哉さんの出演には、ファンとしては大騒ぎでした。それに、原作でも人気の高い日暮さんは、脚本家でもある宮藤官九郎さんが演じられていました。四年に一回。オリンピックと共に目覚めると言う不思議な設定の日暮さんのイメージと官九郎さんのイメージがあまりにもピッタリで、違和感は全くありませんでした。それに、バイクに乗ると人が変わってしまう本田さんは、ウッチャンこと内村光良さんです。バイクに乗った時の勇ましい姿と、バイクを下りた後のあのクネクネ感が何だか妙に似合っていました。こんな知名度も演技力も高い彼らだからこそ、このドラマはこんなにも面白くなったのだと思います。それに、皆さんとても楽しそうでした。本来、ドラマとは作る側も見る側も、両者が楽しんでこそ本当に素晴らしい作品が出来るんですね。

もっと早く見れば良かった

私がちゃんと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と言う作品を知ったのは、このドラマがキッカケでした。もちろん、「週刊少年ジャンプ」で連載している事も、アニメ化された事も知ってはいましたが、元々絵柄が好みではなかったので、2・3回見ただけでした。でも、大のSMAP好きの私としては、香取慎吾さんが出るという事で見る事にしました。見て見たら、すっごく面白かったです。それまで、私は両津勘吉という人を誤解していたんです。両津勘吉という人は、派出所のお巡りさんだと言うのに、いつもギャンブルばっかりして、悪知恵を働かせてはいろんな人を困らせていると言うイメージでした。でも、本当は違いました。確かに、ギャンブルばっかりだし、突拍子もない行動で麗子さんや中川さんを困らせてばかりです。でも、誰かが困った時にはいつも両さんがいました。そして、どんな無理な事でもその人の為に体を張ってくれるのです。これは、なかなか出来ない事だと思うんです。大半の人は、常識に捉われたりして怖気付いてしまうんです。でも、両さんは違います。相手がどんな人でも、自分が助けたいと思えば助けるし、相手がどんなに偉い人でも間違っているならとことん立ち向かいます。そして、そんな両さんを怒りながらもいつも助けてくれる麗子さんと、いつもいつも両さんに振り回されているのに、「先輩っ」としたってくれる中川さん。そんな彼らがいる葛飾区亀有公園前派出所が大好きです。ドラマと並行して原作も読んだ私は、もっと早く知りたかったと思いました。イケメンだけがヒーローじゃないんですね。それも、このドラマで知る事が出来ました。

お祭り騒ぎ

ドラマの主題歌には、両さん(香取慎吾)が歌う「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が流れました。最初からお祭り騒ぎのようなこの曲が大好きだし、歌っている時の香取慎吾さんは、この時だけは完全に両さんです。作詞作曲されたのは、かつて「慎吾ママのおはロック」を作った小西康陽さんで、メロディーも歌詞も完璧でした。この曲を聞くだけで、何だか元気が出てきます。この曲のように、お祭り騒ぎがずっと続けば良いのにと思いました。そして、この曲をあんなにハチャメチャに歌える香取慎吾さんもスゴイです。ドラマが終わっても、しばらくはこの曲のフレーズである「こちら葛飾区亀有公園前派出所っ」が耳から離れませんでした。