とにかく奇妙でツッコミどころ満載。 - あなたの隣に誰かいるの感想

物凄く奇妙で怖くて不気味なお話。

一言で言って、本当に奇妙なお話のドラマでした。サスペンスというか、ホラーというか。ドラマの話の筋は「蟲姫物語」という、大昔のお話が軸になっていました。その蟲姫物語の中で、蟲の男（北村一輝さん）が愛する姫を失ってしまい、その悲しみの為に不老不死になり、その時代時代で生まれ変わった姫を毎回探し出し、成人するのを待って関係を持ち、子どもをつくってはその生まれ変わりの姫を殺し、その間に生まれた娘を愛するという事を、何度繰り返しても満ち足りる事が無く、ひたすら愛を探しさまよいという事を何百年と行っていました。娘たちを愛することで、姫との永遠の愛を手に入れようとした・・・という正直、訳の分からないお話です。（笑）愛しているのに殺して、その娘を愛してって。汗。その蟲姫の現代に生まれ変わったお姫様を夏川結衣さん、夏川結衣さんの旦那さん役をユースケ・サンタマリアさんが演じていました。で、夏川結衣さんが北村一輝さんと過去に不倫して生まれた子供が実は、ユースケ・サンタマリアさんとの間で育っている娘だったという・・・。

北村一輝さん怪演。

怪演というと、昔は佐野史郎さんや、最近では三浦翔平さんや、東出昌大さんなど話題を呼んでますが、この北村一輝さんはその比では無かったと個人的には思います。（褒めています。）私、北村一輝さんの大ファンなんですが、このドラマの北村さん本当に怖かったですから。大汗。何せ、不老不死の蟲の男。カッコいいんだけど、怖くて、怖いんだけど、カッコイイ。笑。昔、夏川結衣さんと不倫していたけど、夏川結衣さんに殺されてしまう。しかし、不老不死なので、名前を変えて、結婚もして、夏川結衣さんとユースケ・サンタマリアさん一家の引っ越してきた家の隣に引っ越してくるという。演技を感じさせず、本当に不老不死の不気味な男を好演してました。（目力が凄い。）特に最後は顔に大やけどをおってしまうんですが、不老不死なのでどんどん自然治癒していくのです。それがまた怖かったです。そして、最後の最後に今度こそ、死んだ・・・と思わせて、ハッピーエンド・・・という場面でまた出てきて「きゃー！！！」という、最後の最後までほっとさせてくれませんでした。笑。北村一輝さんの怪演を見るだけでも、価値ありでした。

とにかくツッコミどころ満載。

最初から最後まで不気味なんですが、途中話が奇妙（と思われる）隣人（火野正平さん）に飛ぶけど全く実は変じゃなかったりとか、夏川結衣さんだけじゃなく、ユースケ・サンタマリアさんが不倫してたりとか、でも、ユースケ・サンタマリアさん自分の事は棚にあげて不倫してた夏川結衣さんだけ責めて、おいおい！！！って感じだったり、そのユースケ・サンタマリアさんを好きな戸田菜穂さん（彼女は最後オカシクなってしまう役なんですが、彼女もある意味怖かったです。）や、お母さん役の梶芽衣子さん（彼女も何となく不気味。）が話をひっかきまわし、嫁姑から、恋愛から、突然ホームメロドラマっぽくなったりとか、凄くとんちんかんでちぐはぐなんですが、最後まで妙に続きが気になって当時見てしまいました。結局脚本が良かったのか、演出が良かったのか、はたまた俳優陣の演技力だったのか、分かりませんが、面白かったのは確かです。でも、引っ越した家の地下に代々殺された姫が埋葬されていたりとか、話が結構強引というか、とっちらかって違和感のある印象が途中かなりゆがめませんでした。大汗。そこが残念な点です。

ただ、故・いかりや長介さん演じる元判事とその付き人でルポライターの佐藤藍子さんが、それぞれの過去の事件、いかりやさんはかつて自分が担当した一家殺人事件で死刑判決を下した男の無罪を知ってしまい、その事件の真相を追ううち、佐藤藍子さんは自分の父の死の真相を追ううち、この蟲姫物語の話の本流にいきつき、事件を究明していくんですが、その部分が話を引き締めていたと思います。このドラマが放映されたのが２００３年の１０－１２月。いかりや長介さんが亡くなられたのが２００４年で、最後に出演されたドラマだったと記憶しています。この頃すでにご病気だったのかは分かりませんが、演技に鬼気迫るものがあった気がします。（声が出にくそうだったのはご病気のだったのかな・・・。）

私はドラママニアなのですが、最近のドラマはクール毎に、医療もの、刑事もの、弁護士ものが入れ替わりするだけであまり変わり映えがせず、恋愛ものもちょっとありきたりで食傷気味・・・といった印象です。（中にはそうでないのもありますが。）視聴率で当たったドラマはシリーズ化され、映画化されと、あまりドラマの内容で冒険しなくなったかな・・・という感じ。このドラマは何はともあれ、視聴率がどうだったかは分かりませんが、9時台に放送するには冒険した内容だったと思います。