元祖、ブームの火付け役!一度は読んでおいて損なし!
陰陽師ブームの火付け役!
今時のキラキラした少女漫画とは違う、古風な絵柄は平安時代の華やかさばかりではなく、薄気味悪さも感じることができます。何というか重々しい空気感といいますか、カエルの内臓が飛び出すシーンは生臭さすら感じる画力があるとおもいます。
正直、平安時代や晴明のイケメン的な、キラキラした華やかで美しいものを期待している人には取っつきにくいかもしれません。おじさんが多いしね。
期待を裏切らない晴明像
クールで知的で誰にも媚びない晴明。帝のことを「あの男」よばわりするところもステキです。実際の晴明はもっと権力にすり寄っていく人だった感じがするけれど、晴明といったらクールでイケメン!という金字塔を建てた作品だとおもいます。小説の世界観を壊すことなく晴明をここまで魅力的に描き、集中線をほとんど使わずにスピード感を出す絵は、岡野さんならではの描写だと思います
また、人物の描写がリアルで少女漫画の様に大きな瞳、長い睫毛、という描き方でないにもかかわらず、美人が表現できていてみているだけでウットリしてしまいます。髪の描き方も実際、ここまで伸びたら細くうねってキレイなストレートヘアというわけにはいかないんだろうな、というリアルな伸び方で描かれており、ちょっと怖い様な感じすらします。
巻を越えていくほど岡野ワールド全開に
小説には登場しないヒロイン「真葛」がでてきたり、小説とはまた違う面白さを楽しめます。晴明を唯一、操れる貴重な存在ですよね。誰にも媚びないはずの晴明が真葛のために動く姿が、自分もこんなポジションにいたい!晴明をアゴで使ってみたい!とおもわずにはいられません。
この陰陽師は巻数を重ねるごとにどんどん原作とは違う展開になっていくので、小説ファンからするとあれ?!と思うとおもいます。自分も小説からファンになりましたが、最終巻あたりだと岡野ワールド全開になっていき、ついていけずあえなくギブアップしてしまいました(汗)ここまで来るともう小説とは違う作品だと思って読んでいった方がいいでしょうね。
作品のヒロイン真葛も男勝りで上から目線、世俗に疎そうなところはお嬢様というよりは人間でない?何かを感じます。幼子の様に見えて頭もいいし、蜜虫の様な精霊?それとも晴明が作り出した生命体?!の様にも感じます。晴明自身も狐の子と噂されているくらいですから、それくらいの芸当できそうですよね。作品の中でも晴明が狐かどうか曖昧にされているところもまたドキドキしました。
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