ギャグ漫画日和の面白さ
短編集は簡単な様で難しい
たまに続編という形で続き物があるが、基本的には短編を集めた漫画。
作品数が多ければ多いほどネタに詰まる。特に現代日常系は日頃の生活や過去の思い出を呼び起こしながら面白可笑しく改変したり、一つのワードから連想し時に体験して漫画を描いていく。
作者の増田こうすけの日常生活の見方はとても斜めでありとてもユーモラス。バレンタインデーでチョコが貰えなくて手が大きくなるなんて発想は普通の人間には出来ない。
そこがギャグ漫画日和の面白い所であり不思議な所になるのだと思う。
偉人達の活躍
ギャグ漫画日和といえば聖徳太子や松尾芭蕉を思い浮かべる人が多いと思う。
現に人気投票はこの二人がでる物語の人物が上位に入っている。
他にも日本だけでは無くコロンブスやマゼラン等海外の偉人達もよく出てくる。
大抵が上司に当たる人物がどうしようもないキャラでボケを展開していく。なぜならそれが非日常的であり、上位だからこそやっていけるという現実的な要素があるからだ。
聖徳太子という人物は臭くて仕事をしないちゃらんぽらんなキャラで描かれているが、何故かファンの間では本当はやればできる子。という概念がある。
歴史上の聖徳太子の行いがそうさせているのかもしれないが漫画の中でこんなシーンがある。
ギャグ漫画日和巻の3「煬帝怒る」の中で唯一太子がまともな仕事をするところだ。隋の皇帝に渡す文章を書き妹子を納得させている。大抵まともな事をする時は実際の歴史的行いが多い。その後の漫画の中で太子がきちんと仕事をする描写は見当たらないがそのワンシーンの印象がファンの間で想像を膨らませるのだろう。
ちなみに歴史的人物は皆そのままの名前で登場しているが何故か千利休だけ万利休として登場している。
増田こうすけという人物
2000年に単行本1巻が発売され1年に1巻というペースで連載してきた。
月間少年ジャンプからスクエアに移ったりしているが面白さは相変わらず。
絵柄が合わないと数巻で終わってしまう人もいるだろうが正直慣れる。イケメンが本当にイケメンに見える。
増田こうすけは発想こそ素晴らしいが背景まで全て自ら行っているところも見所だ。たまにアシスタントを雇ったりしているが基本は1人。この味のある風景や背景は増田こうすけだからこそ出来ることだ。何度も何度も読み返している人は背景のちょっとした所を見ていくと面白いかもしれない。地味に伏線が敷かれている事もある。
ギャグ漫画日和ではないが「神々と人々の日々」という漫画も同時連載を始めた。日和の方にその宣伝が載った時正直これもネタだと疑ってしまっていたがこれも面白かった。短編集ではなく長編ものだが1話1話完結している為気軽に読みやすい。
ギャグ漫画日和の最終回は松尾芭蕉と河合曽良の旅の終わりだと増田こうすけ本人が言っていた。ギャグ漫画日和GB2巻にて日本一周をし終わった時は本当に切なくなったが、もう一周始まったのでまだまだ楽しめそうだ。
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