とにかく家族愛がつまった漫画 - だぁ!だぁ!だぁ!の感想

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だぁ!だぁ!だぁ!

4.254.25
画力
4.25
ストーリー
4.25
キャラクター
4.75
設定
4.00
演出
4.00
感想数
2
読んだ人
4

とにかく家族愛がつまった漫画

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

目次

設定が面白い

少女漫画は基本的に学生の恋愛ものが多く、登場人物も大体が同級生や先輩後輩、教師と生徒などといった、身近なものでの設定が主流だと思います。私もいくつか少女漫画を読んできましたが、この作品の設定は他の少女漫画と比べても特別なものだと感じます。というのも、主人公である西園寺彷徨と光月未夢に加え、地球から遠く離れたオット星という場所からやってきた宇宙人の赤ちゃんと、そのシッターペットであるワンニャーという、この4人が一緒に暮らすという設定。赤ちゃんという設定や宇宙人という設定だけでは珍しく感じないかもしれないが、そこにシッターペットという赤ちゃんのお世話役がいるのは新しいものだと思います。しかも、作者である川村美香さんも書かれていますが、ワンニャーは名前の通り犬と猫を掛け合わせたものだそうです。犬や猫は確かに身近にあるものですが、それを掛け合わせた上、シッターペットという他の作品にはなさそうな新しい設定が面白いです。私がこの作品を読んでいたのは小学生の頃でしたが、大人になった今でも新鮮で楽しく読める作品です。それくらい、他にはない設定の少女漫画なのです。絵柄としては少し大人向けではないかもしれないですが、当時ならではの絵のタッチで、私にとっては変わらず好きな漫画です。また、お寺に住んでいるお話の為よくお寺が出てきますが、お寺はもちろんのこと、他のものも丁寧に細かく描かれています。それもまた魅力的です。

家族のかたち

中学生の男女と宇宙人の赤ちゃんとシッターペットが寺で暮らすという話ですが、その中に当時小学生ながらにも、こういう家族があってもいいな、と思いながら読んでいました。中学生である西園寺彷徨と光月未夢にも両親がいて、宇宙人の赤ちゃんであるルゥにも両親がいます。ですが、彷徨の父親は修行のため家を出て行き、母親は彷徨が小さいころに亡くなっています。未夢の両親は海外で働いている為なかなか会えず、ルゥは突然あらわれた時空のひずみによって遠く離れた地球に飛ばされてしまったので会うことはできません。それどころか、まだ赤ちゃんである為か、彷徨と未夢を両親だと勘違いします。それぞれが寂しい思いをしながら、それでも協力しあって4人で楽しく生活している様子が印象的でした。血のつながりがなくても、お互いのことを大切に思って生活が出来るなんて素敵だと思います。あり得ない設定ではありますが、現実的に考えても血のつながりだけが親子じゃないと思いますし、そういう風に考えられるようになったのも、この作品を小学生の頃に読んでいたことも理由の一つなのだと思っています。話の途中でルゥは本当の両親がいることを知ります。本当の両親と、自分の両親だと思い暮らしてきた彷徨と未夢のどちらを選ぶのか、という場面がありました。結局ルゥは、どちらのことも自分の両親として選びますが、この場面は現実社会と重ねてみることも出来ると思います。実際、生みの親と育ての親がいるという子どももいます。設定は宇宙と日本というもので、一見ありえないようにも思えますが、とらえ方ひとつではこういうことと重ねて考えることも出来ると思います。こういう部分もあり、大人になっても新しい見方が出来て読み続けることが出来ます。

周囲との関係

この作品の中でも、宇宙人と共に生活をするということは普通ではないという設定で、彷徨も未夢も周囲の人には隠し続けてきました。宇宙人がいるということが分かってしまったら危険だということで、ルゥとワンニャーを守るために、友達どころか親にもバレないようにしていました。ですがそれにも限界があり、結局身近な友達にはバレてしまうのです。はじめは驚かれ、恐怖からか気持ちがられてしまいますが、彷徨や未夢が一生懸命宇宙人であるルゥやワンニャーを守ろうとし、2人を思う気持ちに心動かされ、最終的には受け入れます。そして実際にルゥ達と触れ合い、地球の人間の赤ちゃんと何ら変わりのないことに気付き、よく知りもしない赤ちゃんのルゥやワンニャーを宇宙人とういうことだけで危険だと判断して酷いことをしてしまったことを反省します。この場面に関しては、現実でも驚いたり危険だと思うことは仕方のないことだと思います。ですが、相手のことをよく知りもせず、それどころか知ろうともせず、一方的に決めつけてはいけない。ということがここでのポイントなのだと感じました。原作の最終巻では、ルゥ達をオット星に返そうと周囲の人も協力します。先入観などで決めつけてはならないということが表現されているように感じます。特に大人は子ども程素直に物事をみれなくなるように思います。当時この作品を読んでいた頃は、何故周囲がルゥやワンニャーを怖がるのだろうと思う程でした。最初は拒否反応を示していても、話したり触れ合うことで解決できる、ということも気付ける場面でもあります。

親子関係

基本的には主人公である西園寺彷徨や光月未夢、ルゥやワンニャーの心情が主ですが、きちんとそれぞれの親達の気持ちも多少ではありますが描かれています。彷徨は普段はクールな印象ですが、母親を幼い頃に亡くしたこともあり、料理も上手で、修行の為に出て行った唯一の肉親である父親のことを心配する優しい一面もあります。未夢に至っては両親が海外赴任の為に母親の知り合いの家に預けられ、なかなか構って貰えず寂しい思いをしている描写がいくつか出てきます。ある時突然母親が目の前に訪れ、もともと自由人に見える母親が勝手に遊びに来たように見えましたが、本当は忙しい仕事を抜け出して娘に会いに来ていることが分かりました。ルゥの両親も、突然いなくなってしまった息子を心配して懸命に探していました。読み手も、親が子どもを思う気持ちがどういうものかを考える場面がいくつもあり、親ってこういうものなのかと子どもながらに感じながら読んでいました。普段そんな素振りを見せずとも、本当は自分のことを考えてくれているということは大事な時にみえてくるものだと、大人になってから読み返したとき、この作品のこの部分のよさに気付きました。距離は関係なく、気持ちが大切だと教えてくれました。

気持ち

基本的には主人公である西園寺彷徨や光月未夢、ルゥやワンニャーの心情が主ですが、きちんとそれぞれの親達の気持ちも多少ではありますが描かれています。彷徨は普段はクールな印象ですが、母親を幼い頃に亡くしたこともあり、料理も上手で、修行の為に出て行った唯一の肉親である父親のことを心配する優しい一面もあります。未夢に至っては両親が海外赴任の為に母親の知り合いの家に預けられ、なかなか構って貰えず寂しい思いをしている描写がいくつか出てきます。ある時突然母親が目の前に訪れ、もともと自由人に見える母親が勝手に遊びに来たように見えましたが、本当は忙しい仕事を抜け出して娘に会いに来ていることが分かりました。ルゥの両親も、突然いなくなってしまった息子を心配して懸命に探していました。読み手も、親が子どもを思う気持ちがどういうものかを考える場面がいくつもあり、親ってこういうものなのかと子どもながらに感じながら読んでいました。普段そんな素振りを見せずとも、本当は自分のことを考えてくれているということは大事な時にみえてくるものだと、大人になってから読み返したとき、この作品のこの部分のよさに気付きました。距離は関係なく、気持ちが大切だと教えてくれました。私にとっては、これからも大切にしたい作品です。

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