怖すぎる変化！平凡から一転しすぎ！ - わにとかげぎすの感想

凡人未満

出てくるキャラがみんな、平凡より少し劣る設定になってる。夢が友達が欲しい！のくせに人と接点のない夜間警備の仕事をしてる主人公富岡、お隣さんは美女なくせに趣味悪すぎだったり。なぜかお隣さんには素敵な理想の男性として見えるらしく、お友達になりたい！と宣言してまで、仲良くなろうとする意気込みはすごい。主人公の『美』とは程遠く、夜中に筋トレしてるくせにモヤシな容姿。あまり関わりたくない雰囲気醸し出してるところに何故か惹かれてしまった。なんか、人間観察してる気分になっていく。

ホラーすぎる展開

なにも変わり映えしない日常の中で、主人公が見つけた天使。いや、死神？（まぁ、見た目が類友な感じでいいけど）ちょっと、胡散臭い女の登場で主人公の日常は一変していく。女の存在ひとつでここまでなるとは。まさに死神レベル！人生に少しの刺激的な変化なら楽しめるけど、事件に巻き込まれすぎ！平凡に暮らしてれば関わることなんてなかったヤクザから始まり、人生ボロ雑巾レベルでの破壊力。読者の私が助けに行くのも拒否したいほどに、ハラハラしちゃう。

平和になれるの？！

ストーリーが、進むにつれ周りの状況が悪化していくばかりの主人公富岡。もしかしたら、私の日常も何かのきっかけで大きな事件に巻き込まれてしまうかもしれないと不安になり始めてしまうほどだ。不安すぎて読むのをやめてしまいたくなるし、グロさも出てきて。グロ系問題なく見れる人はいいけど、ダメな人は少し控えた方が良いかな、ちょっとトラウマ。でも、もし富岡の立場だと私も同じように進み続けるしかないのかもしれない。富岡の支えになるのは、隣に住む女の子だけ。ことごとく起きる事件も、彼女がいてくれたから前に前にと男らしさを見せたんだろう。ひとつ終わればまた次の事件に、とエンドレス地獄の富岡自身の不安な気持ちも凄い感じとれる描写になっています。

平凡な日常を

追われ追われ過ごす富岡の平和は、隣の女の子だけになってしまう。ここまでなると、誰でも引きこもりになってしまうほどな精神面な追い込まれ。仕事が小説家だという女の子は在宅で仕事ができるため、富岡の不安を拭ってくれる存在になれた。好きだから世話が出来ることは嬉しいだろう。でも、私には彼女もおかしい人物なのではないか、と思ってしまう。今、富岡を独占することができるのだから。もし、富岡が日常に帰れる様になったとき。彼女自身の私物化した富岡を解き放つことができるのか、解き放ってもらえるのか。幸せに見える時間すらも、先読みして問題視してしまうくらい、どハマり作品でした。