元祖FF好きホイホイ
泥臭いファンタジーの世界観を十分に再現
最近のファンタジーもののゲームや漫画は綺麗でファッショナブルで垢抜けててなんかイマイチ・・・というのが最近の思い。昔ながらの泥臭いゴリゴリファンタジーを楽しみたい時に良く読み返すのがこの漫画です。しかも愛してやまない寺田憲史脚本のFF3なので頭の中をベタベタのファンタジーモードにして読む事ができます。原作にもある程度色々と忠実だし、とにかく作者の描き込みが凄い。そこはまさに当時の漫画家の魂を感じます。作者ほんとFF好きなんやろうなあ。天野喜孝の世界観とコミックスとしての世界観を上手く融合している感じがグッドです。チョコボが妙にリアルなのは笑えるけど、今のファンタジーファンタジーしてるのに違和感感じる人には逆に丁度良いかも。
ストーリーは原作に沿って。でも途中から御都合主義
始めの風のクリスタルを得るところからジンを倒すところまでは本当に原作に忠実。始めにアーリマンぽいのやらレッドドラゴンぽいのを一撃で倒すのはどうかと思う反面、ある意味原作フリークホイホイなのか?デッシュの鳥の話は凄く詳細に描かれてよかったけど、生命の樹後から話が急ピッチに進んで、ストーリーの組み立てはちょっと残念。ただ最初のペースで描いていたら完結に何巻かかるんやろうかという入念な描き込み。個人的にはハイン好きなので話を盛ってくれて嬉しかったですが。大陸の話までちゃんと描きつくせなかったのは打ち切りだったのかな?浮遊大陸脱出してからは、巻き巻き御都合主義になってるかもしれません。重要な風の正体がドーガだったり、ドーガイケメンだったり。ウネなんてばーさんの姿数コマだし。いきなり若返るし。そしてドーガと絡むし笑ザンデの扱い酷いし。ゴールドルとか、エウレカとかの話は見たかった。FFファンはそれを覚悟で。
キャラへの感情移入はちょっと難しいかも。そして設定!
登場キャラもほぼほぼ原作のキャラでますが、オリジナルのキャラがちょっとな・・・はと思うところが残念でした。主人公キャラは良くいえば安定、悪くいえば昔のテンプレート。(J・ボウイのクール3枚目キャラは当時では斬新で素敵だけど。)あといつの間にか強くなってるパターンであれっってなることも多し。やっぱりひと昔の漫画だなあと我に返ってしまうところが口惜しいところです。
口惜しいといえば、メルフィがムウチに恋に落ちる瞬間は、そこでよかったのかと。それダメ男にはまるしっかり女子のそれと同じではないかと笑
あとこれだけは言いたい。ボウイが黒魔道でメルフィが白魔道は分かる。そんでもって召喚術士がムウチ?あれっダグは?ダグ何もなし??一人だけただの一般人やん!!に始め凄く戸惑いを感じたのを覚えています笑
とは言いつつの原点回帰
色々ツッコミましたが、始めに言ったように元祖FFの世界観を忠実に再現している数少ない漫画かと思います。コスプレイヤーの集まりのような妙にファッショナブルなゲームじゃなく、寺田憲史時代のようなベタベタなファンタジー世界観を再現したものをまた作ってくれないかなぁと思う日々です。
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