恋をしたくなる、珠玉のオムニバスストーリー
丁寧な人物設定と舞台設計京都の路地裏にある「ものづくり」職人たちの住む長屋を舞台にした、オムニバス形式のストーリー。麻生先生の漫画は、いつも登場人物の設定がとても丁寧。人物が魅力的なのはさることながら、今作の登場人物たちは「ものづくり」と一口に言っても製本職人、銀細工職人、キャンドル作家、画家等と多種多様。恋愛メインのストーリーだけれども「作者はこの仕事をしたことがあるのかしら?」と思うほど職業の内容もしっかりと描かれていて、(かと言って専門的になり過ぎす)その職業自体にまで興味を持ってしまう。そして舞台の京都、路地裏、長屋。この情緒あふれる風景と生活感の漂う描写はさすが。麻生先生は京都出身でもなさそうなので、しっかりと下調べと取材をして反映させているのだろうなと感心する。理想的なコミュニティ舞台の長屋の生活から現代のシェアハウスを連想した。個々の生活、プライバシーがありながら、隣人と...この感想を読む
4.54.5
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