トリックの魅力 - トリックTRICK2の感想

トリックがここまで面白い理由

このドラマは何度見ても楽しい、という人が多いです。私もその中の一人です。
なぜここまで多くの人を魅了するのでしょうか。
自分なりの考察をしていきたいと思います。
まず、なんといっても登場人物のキャラ濃さでしょう。敵の霊能力者もみな濃いキャラばかりです。
佐野史郎さん演じるサイトレーラー深見は強烈に記憶にも残っていますね。
「ソ～～～ン」は一度聴いたらなかなか耳から離れません。普通にゾーンでいいのに、わざわざ変な言い方に変えることによって我々の脳裏に強烈に焼きつきます。
このようなシーンはトリックの世界では多々あって、それが熱狂的なファンを生む要因にもなっているんじゃないでしょうか。

そして、作中に散りばめられたギャグや小ネタもトリックの魅力の一つです。
正直、マニアックすぎて理解できないものもあります。監督の趣味なのか古いネタが多いですよね。
ですがその間というかノリで笑ってしまいます。この独特なノリが中毒になってます。
小ネタも初見ではすべて見きることができません。なので録画したものやDVDで何度も確認したくなります。
そうしていくうちにどんどんトリックの世界に引きづりこまれるんですよね。

そして忘れてはいけないのが効果音。要所要所にしつこいくらい効果音が流れますよね。
これは他のドラマになあまりないんです。特にコメディー要素の強いドラマほど効果音が多様されますが
トリックは雰囲気が暗くシュールなので、そのコメディーとのギャップがたまりません。
最後の後味の悪いバッドエンドもトリックの特徴です。
あの救いようのない絶望感。終始ギャグシーンからのあのエンドはずしっと心にきます。
今見てるのはドラマだろうがこれが現実なんだぞ、と考えさせられます。

魅力的すぎる主人公

さて、トリックの主役である山田と上田。
この2人でなかったらここまで多くの人に愛される作品になっていなかったかもしれません。
そのくらい魅力的ですよね。
まず仲間ゆきえさん演じる山田奈緒子。どう考えても絶世の美女なのにドラマの設定はモテない冴えない貧乏女。
しかし不思議とトリックの世界ではそう見えてしまいます。一応、シーズン1では美人といわれるシーンがあったんですけどね。
貧乳設定も監督に堤さんが確認もせず勝手につけたそうです。
しかしその貧乳設定のおかげで何度も楽しめるシーンがあったし結果オーライといったところでしょうか。

そして阿部寛さん演じる上田次郎。
最初見たとき、あの阿部さんがこんな役をしてるのが衝撃でそれだけで笑ってしまいました。
彼は一応、ドラマの中ではハンサム設定で通ってます。しかし彼女いない暦＝年齢の童貞という設定。
しかし彼なくしてもトリックは成立しないでしょう。
山田が貧乳なら上田は巨根です。貧乳と巨根が特徴のドラマなんてトリックでしかあり得ませんよね。
しかしシーズン2になって下ネタが減ってしまったのは残念でした。
シーズン1は少々、下品ながらも笑える下ネタがたくさんありました。深夜ドラマならではですね。

魅力的なのは主人公だけではありません。
このドラマの影の主役、矢部健三はトリックの大きなスパイスです。
生瀬さんは本当に凄いです。まるで矢部健三という人物が本当にいるかのように思えます。
個人的にヅラをとった矢部の姿が見てみたかったですね。
天罰を下す子の回で、部下の石原が「兄ぃの髪は防水加工じゃけぇのぅ」といったシーンがありましたが、
もしかしたら矢部は凄いヅラを持っているのかもしれませんね。

監督の堤幸彦、主題歌の鬼塚ちひろ

このドラマを好きな人は堤ワールドの虜になっているでしょう。
私もその中の一人であります。
トリックに出会うまでその存在を知らなかったのですが、凄い才能を持った監督だと思いました。
めまぐるしく変わるカメラワークはスタイリッシュで凄く好きです。
彼の作る作品はどれも一癖も二癖もありますね。見ればすぐに堤監督だと分かります。
トリックファンならば同じ堤監督のSPECも好きな方は多いのではないのでしょうか。
世界観こそ違うものの雰囲気は同じです。現実なのですが現実離れした世界観、そして霊能力や超能力がテーマに重きを置いています。
堤監督がもっとも得意とするこのテーマはトリックによって確立されたのかなと思いますね。

そしてトリックにかかせないのが鬼塚ちひろ。
シーズン1の月光は大ヒットし今でも歌われ続けています。
なぜここまで彼女の歌がトリックにマッチするのでしょうか。彼女の歌はどこか哀愁というか慈悲みたいなものを感じますが、
トリックもその要素があると思います。コメディなのに決して明るくないんですよね。
仮にトリックが明るいコメディであったら彼女の歌はミスマッチだったと思います。
個人的にシーズン1の月光が最高なのですが、シーズン2の流星群も儚げな雰囲気がありお気に入りです。

トリックは2014年に完結しましたが、本当に面白く中毒性があり、是非これからも再放送をしていってファンを増やしてほしいですね。