トリックもストーリーも面白い! - トリックTRICK2の感想

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トリックTRICK2

5.005.00
映像
4.25
脚本
3.75
キャスト
4.50
音楽
4.75
演出
5.00
感想数
2
観た人
5

トリックもストーリーも面白い!

5.05.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

さらに見やすく、分かりやすく

トリック2は、前作のトリックよりも、さらに見やすくなったと思います。
トリックのシーズン1は、画面のインパクトがかなりありました。
わざと光度を上げて、人物と背景の境界線を曖昧にしたり、ハンディカムカメラで撮ったような、荒い画質にわざとしたり…。
まだ誰も観たことのない、「おかしなもの」を作ってやろうという気概が、視聴者の見やすさよりも優先されているように感じました。
(もちろんそれはそれでいいと思いますし、前作のトリックも面白かったと思います。)

それに反してシーズン2は、尖った演出を抑え、画面作りなどに視聴者が見やすいような配慮がされていると思いました。


また、母の泉やミラクル三井など、不気味を通り越して、見ていて怖いキャラクターや演出もありましたが、今回は押さえ目だと思いました。(唯一エピソード2の「100%当たる占い師」で、鈴木吉子のビデオの音声が歪む演出は、怖かったです。)

そして、怖い演出が減った分、ギャグパートが増えたように思います。
前作でよほど矢部刑事のズラネタが受けたのか、シーズン2では頻繁に矢部の頭皮がいじられます。
エピソード2では、「神隠し」というワードに「髪隠し(ハゲ)」の意味を持たさせてみたり、パート3ではモロにカツラのキャラクターを出してみたり。
最終回では、山田里美役の野際陽子さんが、「偽物のツボ、偽物の掛け軸、偽物の…」と言いながら、矢部の髪を触るシーンもあります。
いちいちそれに敏感に反応する矢部刑事や、それをハラハラ見つめる舎弟の石原刑事は面白いです。

また、個人的に好きなシーンは、教授になった上田がテレビに出演し、初の著書「どんと来い超常現象」を出版。ワイドスクランブルの獏さんと一緒に、「どんとこーい!」と掛け声を出すところです。
この上田の「どんとこい」の掛け声は、その後頻繁に登場し、笑わせてもらいました。

このあたりは、前作よりも、すごく分かりやすい笑いを入れていると感じました。

また、主人公の山田奈緒子や上田次郎も、ビジュアルがちょっとキレイになったと思います。
特に山田役の仲間由紀恵さんは、シーズン1ではわざとほとんどスッピンのようなメイクでしたが、シリーズ2作目からはきちんとお化粧しているのが印象的でした。
また、前作ではペラペラのカツラだった矢部刑事も、より増毛したカツラにパワーアップしています。
こうした変化も、より定番のドラマにトリックが寄った結果なのかなと思います。

正直トリックシーズン1とシーズン2以降は、演出の尖り方が違い過ぎて、別の作品のように思えます。
この作品の定番化を喜ぶべきかどうかは人それぞれだと思いますが、私はどちらかというとシーズン2は見やすく、各話粒ぞろいに面白かったので、改良だと思っています。

前作のトリックは個人的には好きなのですが、年齢の高い人や、分かりやすく面白いものを好む人は観るのをやめるだろうな、という演出の尖りがありました。
一方シーズン2は、丁度よい不気味さを前作から残してはいますが、より普通のドラマの視聴者層も入り込めるような、広がりを感じました。

秀逸だった「六墓村編」

トリックシーズン2は、エピソード1「六墓村編」からスタートします。
この六墓村編が非常によくできていて、全ての犯行を行っていた、亀山県会議員を犯人と裏付ける証拠が、お守りのお香の匂い、というオチが秀逸だったと思います。
絶対に視聴者には分からないですからね。かなりびっくりしました。

またお守りを与えたのが、奈緒子の母である山田里美というところも、前作のシャーマンの不思議な力を彷彿とさせ、ファンとしては嬉しかったです。
このエピソード1はすごく作品に引き込まれますし、初めてトリックを観る人にも楽しめたと思います。そして脱落する事なく、最終回まで観たいと思えたのではないでしょうか。

物足りない点があるとすれば

ただ、堤幸彦監督、以外の演出回は、頑張って堤幸彦テイストにしなくてはならない、という他の監督の背伸びを感じました。
その結果、「無理やり変な演出をしている感」が出てしまっているのが残念でした。
エピソード3、サイ・トレーラーで登場人物のカツラが過剰にズレたり、エピソード4天罰を下す子で、謎の白づくめの前衛劇団員が画面を横切ったりするのに違和感を感じました。

また、前作では脚本を蒔田光司さん、林誠人さんが担当していました。
当時はそれで違和感がありませんでしたが、今回は林さんが不在で、その穴を別の脚本家の方が埋めた結果、その担当回だけ登場人物のキャラクターがブレているように感じました。

キャラクターの口調が違ったりとか、「絶対にそんなこと言わないでしょ」と思ってしまうような、セリフがあったりするのです。
その他にも、トリックならではのギャグや小ネタを無理やり脚本に入れているように見えました。
ちょっと細かくなってしまうのですが、気になったのはこのような部分でしょうか。

細かい事を言わなければ、全話面白いと思います。

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トリックの魅力

トリックがここまで面白い理由このドラマは何度見ても楽しい、という人が多いです。私もその中の一人です。なぜここまで多くの人を魅了するのでしょうか。自分なりの考察をしていきたいと思います。まず、なんといっても登場人物のキャラ濃さでしょう。敵の霊能力者もみな濃いキャラばかりです。佐野史郎さん演じるサイトレーラー深見は強烈に記憶にも残っていますね。「ソ~~~ン」は一度聴いたらなかなか耳から離れません。普通にゾーンでいいのに、わざわざ変な言い方に変えることによって我々の脳裏に強烈に焼きつきます。このようなシーンはトリックの世界では多々あって、それが熱狂的なファンを生む要因にもなっているんじゃないでしょうか。そして、作中に散りばめられたギャグや小ネタもトリックの魅力の一つです。正直、マニアックすぎて理解できないものもあります。監督の趣味なのか古いネタが多いですよね。ですがその間というかノリで笑って...この感想を読む

5.05.0
  • なおなお
  • 312view
  • 2052文字
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