誰しもが持つ止められない衝動
それぞれの百舌の早贄とは何だったのか。
百舌は秋口になると餌を枝に刺して、後に食べたりもするがその行動は解明されていない。彼はその行動は衝動で誰にも止められないと言う。
オープニングで繰り返し語られる百舌の早贄=誰にも止められない衝動、と言うのがやはりこのドラマのテーマなのだろう。キャストそれぞれの百舌の早贄とは何だったのか。少し考えてみようと思う。
倉木尚武:「本当の真実が知りたい」。繰り返し彼が口にする言葉。このドラマには繰り返しが多かった気がする。そのお蔭なのか、自分の中に刷り込まれていった。私はこの言葉に頭痛が痛い的な気持ちの悪い表現が使われており、それによって印象を濃く持たされた気がした。真実=本当ではないと、公安勤めの倉木が言うのだからこの世界は捻じ曲げられていると言う暗喩かもしれませんね。彼はやはり「本当の真実を知りたい」が故の乱暴な振る舞いが誰にも止められない衝動だったと言うところでしょうか。娘の出自、妻の死・・・謎が謎だけに誰しもが本当のことを知りたくなるのは当然ですね。
大杉良太:物語がどこか現実離れした話の中で、娘の万引き、妻との離婚。家庭を省みず仕事に追われる日々は私たちと何も変わらない、そんな彼は一番視聴者に親近感を持たせる役割を持っていたように思います。彼の衝動とは・・・なんでしょう?名前が現すようにやはり根は良い奴なんだと思います。衝動的に家族から逃げていた事でしょうか。笑
明星美希:名前も容姿も美しいそんな彼女の止められない衝動・・・失踪した父に会いたいという衝動でしょうか。彼女は小説版にない「ダルマ」を見た人物のひとりでした。父の伏線、ダルマもそうですがあんまり面白くはなかったですね。父に関しては日本人だからでしょうか、テロリスト的な設定はどうもしっくりこないですよね・・・あくまでも個人的な感想です;
ドラマで登場「ダルマ」
小説版にはなかった「ダルマ」。チラチラ似顔絵が出てきていましたが、私は小日向さん・・津城にそっくりだと思っていました。似せて作っていたのだと思っています。まさかたけしだとは思っていなかった・・・映画版に出てくる話なのでこのへんで。ちなみに私は映画版面白くなかったです・・・;;
新谷と言う男。
私は初めてこのドラマで池松壮亮さんを知りました。演技が巧いのか、衝撃的な展開だったからなのかはわかりませんが、間違いなく彼の名前を覚えました。あの淡々と述べる台詞。わざと棒読みにし新谷と言う人物の中身がわからないように印象付けられた気がしました。わざとだと思いたい・・・笑 お世辞にも女装は似合っていませんでしたが、女装だったからなのかあの狂気っぷりはゾクゾクしました。男がアイスピック片手に襲ってくるよりも見た目ですが、女が襲ってきた方が恐怖度は増すと思います。彼の演技に賞賛です。
MOZUは久しぶりに面白いと思ったドラマです。踊る大捜査線みたいに中毒があるかもしれませんね。ジャンルがだいぶ違いますが; 今後もし続編があるようなら観てみたいです。
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