杉原の偉大性と今の日本
日本の独自性を映画を通じて感じ取り、そのうえで私たちがこれからしていくべきこと
私は発展途上国の人、特にこの映画でみるユダヤ人は、日本という文化、文明を感じ取っていると思います。彼らが注目するのは日本がどのようにして文化の独自性を保持したのかに疑問を持っていると思います。私たちがそれを世界に示すことで他国の人、特に発展途上国の人の文化的自信を回復させることが可能だからです。そうすることで欧米などの国の人に世界文化の成り行きに疑問を持たせるきっかけとなります。この意味をとれば、我が国の文化の存在自体が現代の世界の文化交流が進んでいくことになります。なので諸文化の個性を押し殺すともいえる画一化への抵抗といえると思います。日本が世界の文化交流に参画して、日本の立場にそった発言を行うことで、これからの世界文化の多様性を示すことができます。ここに、私たちが世界の文化交流が進む中でやらなければいけない役割だと私は考えています。言い方を変えれば
ものや人の移動のボーダレス化と情報化が、欧米文化的支配力をさらに強めることがないよう、現代の世界の文化的一元化の波を押しとどめ、世界の文化の多様性、多様性を維持するために貢献することです。(文化の戦略―明日の文化交流に向けて 加藤淳平 中公新書 1996/12)
極めて官僚的
あまり官僚にはよい印象をもちません、最近では天下りなど、問題が山済みです。しかも、この映画のあるとおり、史実で分かっていますが、とうの本人はやめさせれてます。これは官僚の組織ではあたりまえなのか、と疑問を持ちました。せっかくユダヤ人を救った彼をやめさせる、日本の官僚。理解できません。この映画で外交官の政治的な裏側、状況、組織も分かるのですが、今の日本にもあてはまるところが見受けられます。私がその時代にいたわけではないですが、極めてトップダウンで、権力的だという印象でした。
マイナスな面ばかりを主張しましたが、千畝自身は勇気がある外交官でした。彼が救ったユダヤ人は彼に感謝していると思います。また、彼は外交官としてなすべき仕事に関して向き合い、日本の意向も考えながら、苦しい決断をしたことには評価をもっとするべきだと思います。
キャスト分析
キャストは申し分ないでしょう。唐沢さんは今まで、さまざまな映画に出て活躍してきましたし、今回もすばらしい演技をしてくれています。ラストサムライで活躍した、小雪も使うということでもう、最高のキャスティングではないかと思います。
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