良い意味での原案ブレイク - UN-GO episode:0 因果論の感想

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UN-GO episode:0 因果論

4.304.30
映像
4.00
ストーリー
4.00
キャラクター
4.50
声優
3.50
音楽
3.00
感想数
1
観た人
1

良い意味での原案ブレイク

4.34.3
映像
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
声優
3.5
音楽
3.0

目次

坂口安吾インスパイア

坂口安吾の小説を原案に据えた本作品。無頼派として知られる原作者の退廃的世界観を近未来サスペンスという位置付けで作り上げた手腕は流石と言えます。原作からの世界観をこれでもかという程逸脱し、オリジナルの作品として昇華させながらも原作者の世界観の根本にある寂寥感や虚無感は残っている点は非常に好感が持てました。原作好きの友人が残念ながら私のまわりにはいませんでしたので感想は主観的なものになってしまいますが、恐らくこの作品は原作ファンからの受けは、そう悪くない作品だと思いました。

SFと推理という組み合わせ

物語の表面的なプロットだけ見れば、推理であるのにも関わらず、その推理の軸となるものは空想近未来的な要素です。この取り合わせは非常にユニークなものだと思います。よく言えば斬新、悪く言えば視聴者を限定するジャンルを敢えて選んだ挑戦的な姿勢は昨今のアニメの中では一石を投じた感があると思います。世の中に、SF作品のアニメは多数ありますが、そういった作品は推理小説的世界観と本来であればミスマッチであることが否めないと思います。それはノックスの十戒にはじまる、推理小説的なフェアさを欠いてしまうことに起因していると思います。しかし、私は視聴者に与えられた情報、その情報が我々の生きている世界とは異なる法則に基づく情報であったとしても、与えた情報という枠の中で作品に起承転結を持たせる限りにおいては推理物として成立するという考えを持っております。そしてこの作品がまさにそういった作品であると私は思いました。

キャラクターの魅力

この作品のキャラクターはかなり特殊な取り合わせだと思います。前述の人を選ぶ世界観にも符号することだと思いますが、同様にキャラクターを好きになる人、受け入れ難い人が二分される作品だと思います。古典的なSF作品におけるアンドロイドの退廃的かつ耽美的な扱いは原作者のナンセンスな世界観との親和性が高いものであると個人的には思いますので、そういった意味においても世界観に引き込まれた人は、キャラクターもまた魅力的なものであると自然に感じることと思います。逆に奇抜な取り合わせのキャラクターが多いため、受け入れられない人は、この作品をすぐに切ってしまうことと思います。好きになるかならないか、それはフェチズムによる部分が多いと存じますので、そういった判断をする上でも一度見てみることを推奨したい作品だと思います。

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