自分に置き換えられるドラマ
登場人物の立場や思いに共感
東京での就職活動に失敗した主人公が地域おこし協力隊として高知県四万十市で働くという、今の時代を映したようなストーリー。若者達が様々な立場から、自分の今、そして未来を憂いながらも、奮闘する姿に共感することが多かった。過去の栄光を忘れられずに前に進めない悔しさ、大切な人に素直な気持ちを伝えられないもどかしさ、ひとつひとつの思いが自分と重なることが多くて涙が出そうになった場面もあった。そして、大切なことは日々の生活に隠されていて、自分ひとりでは見つけることができないのだとわかった。人とぶつかり、自分の弱さと向き合うことも決して無駄ではなく、むしろ必要なんだと思い知らされた。
地方の今が見える
ドラマの中で都会で育った主人公が地方ならではの暮らしに戸惑うシーンがあった。何の不自由もなくなったようなこんな時代でも、地方では人と人のつながりは不可欠で、隣の家の人の顔も知らないことも少なくない都会の生活とは正反対である。人と人のつながりは確かに煩わしいこともある。ただ、過疎化が進む地方の現状として、人同士のつながりなしでは、高齢者を守っていくことができない。商店街の店が次々と閉店したり、病院での医師不足であったり、そんな切実な現状も描写されていて、奥が深いと思った。
絶妙なキャスティングと音楽
このドラマの主人公は生田斗真さん。すごく自然な演技で、こんな男の子いるよな~という感じだった。争いを嫌い、人に合わせてばかりで上手に流されるまま生きてきた感じ、憎めないけど芯もなさそう、、そして、それが話が進むにつれて、変わっていく姿もすごく上手に演じていらっしゃると思った。そして、それとは反対に町を活気づけようととにかく熱い男に桐谷健太さん。イメージぴったりだと思った。空回りすることも多いけど、心はとても優しい、そんな姿を器用に演じていらっしゃった。また、このドラマはMONGOL800の「あなたに」を主要キャストが歌うというオープニングだった。このスタイルも斬新だが、この選曲も妙にマッチしていていいなと思った。若者らしい爽やかで、すがすがしい印象を受けて、毎回気持ちよかった。そして挿入歌のMr.childrenの「常套句」。初めて聞いた時、鳥肌が立った。恋愛ソングといえばそうだが、人と人のつながりを感じたり、登場人物らの心情にそっと寄り添っているような歌で、このドラマにぴったりだと思った。
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