物語を創作するヒントに!
ギャグ補正を逆手にとった強烈な愛情表現
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~
から始まるバイオレンスなラブコメアニメ。冒頭から始まる流血シーンはのんびりしたラブコメを期待していた人に強烈な印象を残します。しかし、その理由も二話までに説明がなされ、しかもギャグ路線のアニメなのでぶっ飛んだ設定は案外受け入れられやすかったのではないでしょうか? ものすごく突飛で乱暴な世界観なのに筆者は意外とすんなりアニメ世界に入り込めました。
ドクロちゃんをはじめとした可愛い女の子達は例外なく主人公の桜君を愛のサンドバックがわりにバイオレンスな行動で照れ隠しや嫉妬を表現していきました。この表現こそがこのアニメを有名にした、秀でた特徴なのです。
萌えアニメの風雲児
少し話は変わりますが、当時のアニメはうる星やつらを発端とした少し乱暴な愛情表現をするヒロインが蔓延していました。当然アニメも商売なので消費者のニーズに応えた作品作りをするのは定石です。可愛い女の子を出しておけば、とりあえずの売り上げを見込めるので各社はこぞって模倣し出します。これは何もアニメに限った事ではなく漫画やゲームにも取り入れられていきます。
同じようなアニメばかりになるとつまらなくないですか?
なぜこんなにバイオレンスな表現を萌えに組み込んだのか。
萌えアニメに限らず面白いアイディアとは降って湧いてくるようなものではなく、参考にするものを組み合わせて創作されます。とはいえうる星やつらが大ヒットしたから同じような作品を作るのでは芸がなく、視聴者も馬鹿ではないのでだんだん飽きてきます。
従って、視聴者を飽きさせない工夫を凝らす必要性が生まれ、今までのものと違った切り口の作品作りを求められます。バイオレンスと萌えとエロとギャグを組み合わせることにより、可愛い女の子に付加価値を付けることに成功しました。このことからドクロちゃんは蔓延していたラブコメに一石を投じたアニメと言えます。
クリエイターにこそ観てほしい
ギャグとバイオレンスとエロと萌え、複雑に絡み合った要素を綺麗にまとめ上げたこの作品は、単純に面白いアニメというだけでなくクリエイターにとっても非常に参考になる尖った作品です。物語を創作するヒントになる逸品です。なお、ドクロちゃんブームにのっとりドクロちゃんを模倣しただけのアニメもあります。前述したとおり模倣だけでは二番煎じで面白い作品にはなりえません。あくまで参考にするには、程度が一番ですね。
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