真田丸は今年一番のドラマになるかも - 真田丸の感想

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ドラマレビュー数 1,147件

真田丸

4.504.50
映像
4.50
脚本
4.50
キャスト
4.83
音楽
4.50
演出
4.50
感想数
3
観た人
3

真田丸は今年一番のドラマになるかも

4.54.5
映像
5.0
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
4.0
演出
5.0

目次

今までにない大河

今まで大河をみてた根っからの大河ファンにはちょっとうけつけないような脚本だが、初めて大河を見る人たちにとっては各登場人物が非常に人間臭くて現代人が共感できる部分が多く、今までと違う現代人と共通する感覚が共感を生み出すことで違和感を感じることが共感につながり登場人物の気持ちにすっと入っていける内容になってます。

とりあえず要所要所でウザい長澤まさみがすごくいい。

信繁(幸村)の幼馴染を演じる長澤まさみが要所要所でウザい。演技もセリフも空気が読めてない。奔放で馬鹿正直である意味すごく素直でまっすぐだからウザいけど憎めず、要所要所ででてきて信繁の役に立とうとする姿がすごい胸を打たれる。いままでのドラマでここまでウザいと思われる演技をとことんやった役者はいないんじゃないだろうか。ネットでもあまりのウザさに一時期話題に。

裏をかいてくる偉大な父昌幸

昌幸(信繁の父)演じる草刈正雄の演技は秀吉に「比興のものなり」と言わしめるほどのたぬきぶり。徳川、北条、上杉を相手にひかず、戦わず独立を維持していく綱渡りな戦略、智謀にこんなお父さんがいたら頼りになるなぁと思うはず。ただ、すごく家族を大事にする振る舞いにたぬき親父というだけでない父親としての魅力を感じること必至。その反面意外と女好きなところも人間臭くていい。だけど、側室を持たなかったことが女性の気持ちをつかむかもしれませんね。

織田信長がすごい怖い

織田信長が1話しかでてこないけどすごく怖い。まさに第六天魔王って感じ。あそこまでこわい演技ができるのも吉田剛太郎のなせる業なのかと思わせる。ネットでも怖すぎると話題に。いままで怖い信長はいっぱいいたけど、ストーリーのある程度や大部分を占めていたことで結構人間臭く描かれていたぶん親しみやすさを感じる部分があったのではないでしょうか。ですが、ちょっとしか出てきません、怖いだけです。だからこそ真田家からみたらこういう風に信長は見えたんだろうな。と思えるし、大名ではなく一地方領主だったんだなと感じさせられますね。そういうところがまたリアルです。

北条氏政が通説ではなく史実として有能な主君として描かれています

北条氏政といえば北条家を滅亡させた人物で奇行や氏康の有名な「かける味噌汁の分量もわからないとは・・・」という言説が広まり有能だと思ってる人は少ないと思います。ですが史実は逆で氏政の時代に北条家は最大版図になり部下や兵を思う気持ちのあるかなりいい殿様だったんですね。

感動するシーンは豊臣に包囲され進退ままならない状況でも意地を通して降伏せず、兵たちを思い包囲されてから一度も風呂に入らず、怖くて眠れなく顔色がわるいのを香と化粧でかくして平静を装うシーンです。ここは氏政の意地と矜持が感じられて今まで氏政によいイメージを持ってなかった人も180度評価がかわるかも。

徳川家康がなかなか渋い

徳川家康といえば狸親父だと思う人も多いのではないでしょうか?それでいて有名な三方が原の戦いでの情けない姿などから戦に弱くて政治的手腕で天下をかすめ取ったというイメージがあるかもしれません。でも、ここではよい家臣に支えられ、迷いながらも天下を目指していく家康が描かれています。どうしようどうしようと思い悩みながら家臣が支え、家臣を頼り、大事にするこういう社長だったら会社も繁盛するんじゃないだろうかとおもわれる人物が描かれています。決して派手ではないのですが、最初から最後まで真田家に関わる唯一ともいえる大物だからこそ派手ではなくてもその過程を真田家を通じてずっと見てるからこそこのストーリーにはかかせない要素ですね。

徹底した真田家目線

歴史上の山場である武田滅亡、本能寺の変、山崎の戦い、北条滅亡、朝鮮出兵、関ケ原など、親子2代である以上かなり山場があるのですが、あくまでも真田家目線なので真田家に入ってきたであろう情報や、真田家がかかわったであろう事柄以上の説明やストーリー一切なし。それで情報が限られることが昌幸(信繁の父)や信繁、信之(兄)目線でドラマをみれることで一層引き込まれます。「どうなってるんだろう?」「どうしたらいいんだろう?」っていう気持ちが伝わります。そう思いながら、どうするんだろう?っていうワクワクもあります。もし、1話でなんだかな~って思ってしまっても武田家滅亡まで見てみるとドラマへの評価が激変します。真田親子感動の再会の場面まで見てもらえると間違いなくかわりますよ。

三谷幸喜らしい面白さ、喜劇的要素を残しつつ、いかに大河として多くのファンを納得させるか考え抜かれた作品です。演技する役者も監督や脚本に忠実というよりもいかにいい作品に仕上げるかを考えてやってるみたいです。薫(昌幸の妻)演じる高畑敦子がインタビューで再会シーンは嬉しいことを最大限表現するためにアドリブでああいう演技になったとか。役者が生き生きしているドラマみてみたくなりませんか?

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他のレビュアーの感想・評価

描きたかったのは、真田家の生き様

父上の方が目立つ前半。それで良い。真田丸は放送前、あることについて不安視されていた。「真田幸村って有名だけど、大阪の戦いの一発屋でしょ?」というもの。そんな武将が大河ドラマの主役でやっていけるのか、と。確かに前半の信繁(幸村)は、主人公ゆえに目立ってはいたものの、目立った活躍はあまり無かった。それでも面白かった。何故か。一つは、周りを囲んでいる登場人物が、あまりにも色濃い連中のオンパレードだったこと。そしてもう一つは、そもそも話の主軸は「真田幸村」ではなく「真田家」を描いていた、ということだ。全話視聴した人なら分かるだろうが、この物語は真田幸村を主人公とはしているものの、前半(特に信繁が大阪に上洛するまで)の主人公は別にいると思ってしまう。父、真田昌幸である。実際それは思い込みでもなんでもなく、活躍や目立ち方を見ていればそう思うのは当然だ。おそらく脚本の三谷さんもそれを狙っていたに違い...この感想を読む

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  • ankokuzeonankokuzeon
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弱者の生き方このドラマのテーマは、「弱者」と「強者」の戦いだと思います。弱者の代表「真田家」と強者の代表「豊臣家」、「徳川家」です。そして、よく言われている、真田家という小さな家族の物語でもあります。真田家が、武田、織田、徳川、上杉、北条、豊臣などの「強者」と対峙していき、上手に生き抜いていきます。痛快な三谷幸喜ワールドの話が、これでもか、これでもかと出てきます。弱者の真田家は、その中で、決してへこたれません。うまく、「強者」の間を泳ぎ切っていきます。相手をわざと怒らせたり、謀略を働かせたり、ギリギリの線を行く。それは見事な泳ぎ方です。そして、それは、最後の大坂夏の陣まで続くのでした。真田信繁主人公の名前を、従来の講談物で有名な「真田幸村」ではなく、史実に忠実に「真田信繁」という名前にしたのは、歴史マニアの心を揺れ動かすと思いました。父親昌幸をはじめ、地方の小さな領主たち同士の駆け引き...この感想を読む

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