若者の恋愛観は無理『Deep Love REAL』 - Deep Love REALの感想

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Deep Love REAL

3.253.25
画力
4.00
ストーリー
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キャラクター
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設定
3.00
演出
3.00
感想数
2
読んだ人
4

若者の恋愛観は無理『Deep Love REAL』

2.52.5
画力
4.0
ストーリー
2.0
キャラクター
3.0
設定
2.0
演出
2.0

目次

原作は携帯小説だったんだね

「たしか少女漫画で似たようなタイトルの作品があったような」。この作品が連載され始めたとき、あれ? と思ったんだよね。主人公の名前が義之で、時々思い出す女の子がアユ。義之のペンダント、そして胸に大きくえぐられたような傷跡。間違いなく『Deep Love』の続編だった。少女漫画の続編が少年誌で連載されるなんて、しかも作者が変わるなんて珍しい気がする、と思って読み始めたけど、ホストっていう職業が好きじゃないせいか続かなかった。

後で調べてみたら、『Deep Love』の原作は携帯小説だったそう。「アユの物語」「ホスト」「レイナの運命」「パオの物語」の4部構成で、全部吉井ユウ先生の作画でコミック化されてたんですね。知らなかった。まぁ、知ってても読まなかっただろうけど。携帯小説が女子高生たちの間で流行り始めたころ、私はすでに大人で、若者の恋愛観は理解できなかった。こういう内容の作品を読んで泣ける、感動できる精神構造を理解できなかった、と言えばいいのかな? 実際に読んだのは携帯小説じゃなくマンガなんだけどね。

 

なぜ「ホスト」だったのかな

義之が心臓病の手術を受けることができたのは、アユが援助交際してから。アユはコンドーム無しで売春してたせいでエイズにかかり、それでも売春を続けてお金を稼ぎ続けて、義之の手術費用を捻出したんだよね。沖縄の海でアユに「きれいだよ」っていう義之に、アユは「私はもう汚れてるから」って言った。その意味を知るために義之はホストになるんだけど、私からすると「なんでホストなの?」って思ってしまう。質のいい(こういう表現が正しいかどうか分からないけど)ホストクラブは、枕営業禁止のところが多いはず。援助交際してお金を稼いでたアユの言葉を理解したいなら、同じように売春するか、せめて枕営業OK、もしくは黙認してくれるホストクラブで働かなくちゃわからないんじゃないの? って思っちゃう。男で売春は難しいでしょう、と思う人もいるかもしれないけど、入社したばかりのペーペーなのにNo.2ホストになれちゃうくらいのイケメンだったら、芝公園プールのプールサイドで座ってればいくらでも声かかるよ、たぶん。

 

ホストクラブとキャバクラの違い

前述のとおり、私はホストクラブが好きじゃない。一度も行ったことがないので、イメージなだけなんだけど。たまにワイドショーやドキュメンタリーなんかでホストクラブの紹介番組なんかをやってたりするけど、みんなワーワーギャーギャー大騒ぎして、シャンパンコールして、ベロベロに酔っぱらって、何十万、何百万とお金使って。はっきり言ってバカみたい、って思える。キャバクラでもボトル入れてもらったり、同伴してもらったりするために、キャバ嬢がお客さんにしなを作って甘えたり、踊りたくないチークを一緒に踊ったりするけど、ホストクラブみたいにばか騒ぎはしない(いや、する店もあるのかな? 私が知ってるところは少なくともばか騒ぎはしない)。ましてや大金を払うような店のキャバ嬢はすごく勉強してる。新聞も日経を中心に何紙も目を通してるし、お客さんの誕生日だけじゃなく仕事の内容や競合とかもちゃんとチェックしてる。もし誰かが「キャバクラかホストクラブ、どっちか好きなほうで使い切ってきて」って大金くれたら、私なら間違いなくキャバクラに行く。同じ水商売なのに、なんでこんなに質が違うんだろう? その答えは意外と簡単で、客の質が違うから。『Deep Love REAL』の女性客のほとんどが、ホストと疑似恋愛したい人だった。確かにキャバクラも、キャバ嬢との疑似恋愛したい客(本人は本気恋愛だと思い込んでるんだろうけど)は、キャバ嬢が勉強してようがしてまいが、はしゃごうが大人しくしてようが、にっこり笑って「好き♡」って言ってくれれば、何十万でも何百万でもお金だすもんね。ただ、キャバクラの客よりホストクラブの客の方が、圧倒的に恋愛体質比率が高い。女性だから当たり前か。昔誰かが「男は頭まで恋をして、女は子宮で恋をする」って言ってたけど、そういう女性が確かに多いんだろうな、と思う。そして、そういう女性が客として足蹴く通うホストクラブは、やっぱり私は好きじゃない。

 

作画は結構好き

『Deep Love REAL』の作画者のTetsu先生ですが、正式な(っていうのかな?)ペンネームは「こばやしてつや」。深田恭子さんと堂本光一さんが共演してたドラマ『リモート』の作者です。なんでこばやしてつやじゃなくTetsuで出たのかわかりませんが、Tetsu先生の作画は結構好きです。

特に好きなのは主人公の眼。「目は口ほどに物を言う」ということわざもある通り、彼の描く主人公の眼の動きや表現は、まるで生きている人間のように、うれしさや悲しさ、怒りや戸惑いなどを伝えてくれます。あと、女の子の白くてもっちり柔らかい肌の質感も好きです。ブスやブ男をけちょんけちょんに描くのも面白い。こういうやつ、いるな! って共感できるけど、自分に似てるブスが出てくるとちょっとショック…

風俗、レイプ、薬物、自殺と、どす黒い要素てんこ盛り。作画がその内容をやわらげてくれていると思うけど、私は再読することはないなぁ。

 

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他のレビュアーの感想・評価

時代が過ぎても破壊力のある作品

憧れさえ抱かせたかもしれない問題作ディープラブシリーズ、ほんと流行りましたよね。女子高生をターゲットにケータイ小説から漫画になったこの作品。2000年になって登場し、2002年に書籍化が決まったこの物語は、本当に暗いです。いいところ一個もないかもしれません。だって義之は、大事にしていたもの全部失いますから。だけどね、ホストの世界でのし上がっていく義之は、かっこいいんですよ。何もない純真無垢。そこにありったけの夜の世界の嫌な部分をぶちこまれていく…せつなさがありつつも、どんなふうに大人になるのだろうかと興味を持たずにはいられません。この物語を読んで、夜の世界にあこがれを抱いてしまった若者もきっといる気がします。それこそプロとしてホストになりたいとか。決して職業を侮辱するわけじゃないです。自分に外見的な魅力、内面的な魅力があってそれをお金に直接変換できるのなら、もしかしたら最高の仕事と言えるかもし...この感想を読む

4.04.0
  • betrayerbetrayer
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