後味が悪い映画です。 - 縞模様のパジャマの少年の感想

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後味が悪い映画です。

3.53.5
映像
3.0
脚本
4.0
キャスト
3.0
音楽
2.5
演出
3.5

目次

世界の戦争の残酷さ

この作品はユダヤ人をテーマとした作品です。人種による差別が鮮明に物語に組み込まれているので、見ている側は同じ人間として辛くなりました。戦争に関する映画やドラマはこれまでにたくさんあったと思いますが、これはまた違った目線で描かれている物語だと思うので、飽きずに見ることができると思います。ただ、一番私が引っ掛かったのはクライマックスの後味が悪いということです。見終わった後から数日間は気分がすぐれないと思います。今でも思い出すだけで気分が落ち込みますし、私的には予想もしていなかったクライマックスになったのでより後味が悪かったのかもしれません。

子供の素直な友情と大人の身勝手さ

この作品で一番注目してほしい部分は、子供の純粋な気持ちです。その反対に大人の身勝手な行動も同時に見ていただきたいです。子供は戦争など何も知りません。違う人種の子供が仲良くなり、なぜ自分たちが住んでいる世界が違うかなど子供にはわかりません。子供の相手を思いやる純粋な気持ちに心打たれます。人種なんて関係ないんです。もしも戦争などなく、平和を願っていたら、自分の子供もユダヤ人と一緒には死ななかったはずです。大人が思っているより子供はずっと人情深く、人間性にあふれています。戦争はあってはならないものだけど、大人もそれに逆らうことができないもどかしさがあります。

何よりも伝えたい命の大切さ

死ぬということは人間だれしもが避けては通れない道です。しかし戦争で死ぬということはどんなことがあってもあってはならないことだと思います。ユダヤ人は大量に毒ガス室に入れられ殺されてしまうことはみなさんご存知だと思います。その事実だけで大変胸が苦しくなります。そこにユダヤ人でもない自分の子供が誤って入ってしまい殺されてしまったらと思うと、悔やんでも悔やみきれません。しかもその指示をしたのが親だとしたら・・・。これは自業自得だと私は思います。最後の両親の焦り具合を映画で見たとき、恐怖でいてもたってもいられなくなりました。子供たちはガス室の中に入れられ、真っ暗になり映画は終了します。まるで自分自身もその中に入っているような感覚になり、目を伏せずにはいられないくらいの恐怖と怒りさえ覚えます。改めて戦争の悲惨さ、恐怖を思い知らされるような映画です。命は決して粗末にしてはならない。また家族を失う悲しさを両親は思い知ったであろうと思います。

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恐怖と悲しみで苦しすぎる映画

ナチスドイツの強制収容所近代史では、最も残酷な方法で人間を殺したとされるアウシュビッツ強制収容所。掘り起こせばもっといろいろあるのかもしれないが、人間のやることとは思えない方法で、ドイツはユダヤ人を虐殺したことは事実。その罪をこれから先もずっと背負って生きていかなくてはならないのだろうね。ユダヤ人たちが後世に語り継ぎ、ドイツ人たちも決して忘れない。そのために、このナチスドイツの行った悲劇の実話を何度でも映画で振り返るのだ。二度とやらないと誓うために。タイトルで、「縞模様のパジャマの少年」と日本語表現されているが、意味がわかっていると本当に心が揺さぶられるだろう。それはパジャマなんかじゃなくて、囚人服なんだ。でも子どもたちがどうしてそれを知ることができるだろう?ただ出会い、会話をして、仲良くなって、チェスでゲームをして…。たわいもない、かわいらしいお友だち。それだけで十分だったはずなのに...この感想を読む

4.54.5
  • kiokutokiokuto
  • 1015view
  • 3085文字
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