これって逆じゃない？ - がんばる!ストーカーの感想

キモイストーカーに追われるストーリーではありませんでした

「がんばる！ストーカー」という名前の伊藤広明さんのマンガです。意外にも初っぱなからかわいい、しかもちょっと自分が気になっているタイプの女の子につけまわされるという展開だったので別によくね？と思ってしまいました。主人公の花丸藤之助という男子学生も自分の想像以下の変態系でしたのでめでたくストーキングをしている張本人のヒロイン神春（がんばる、に引っかけたネーミングですね）ラララさん（闇深い人間という訳でもない）とそこそこ惹かれあう関係になる、そこそこさわやかなカップルになれるんじゃないかという感じの二人でした。なのでちょっとひねった学園ラブコメくらいな感じでした。イラストも萌えよりでもなく超アニメ調でもなく、ディズニーでもなく、何か色んなスタイルの中間みたいな感じなのでかなり見やすくてそれなりに好感が持てるかなあと思っています。

ストーカーされたことによって相手を意識し始める

ただこの設定はストーカーが偶然自分の好きなタイプじゃないと成立しないので、この神春ラララちゃんがもしも、ヒステリック、なおかつブスとか中年のグロいオヤジとかだったら成り立たない無理な話でしたね。しかし実はストーカーされている本人が気がつくとストーカーしている相手を目で追ってしまって逆ストーカーになってしまっていることに本人もそして読者であった自分も見逃しそうになってしまいました。うまいトリックだなあとちょっと感心しましたよ。

第二巻特に結構面白かったです

生徒会長の女生徒が現れたかと思うとその彼女がストーカーを始める。誰を追跡しているのか、その先には、とストーカーをストーカーするストーカーみたいな図が出来上っておかしかったです。しかしストーカーの始まりはまたその主人公の花丸藤之助という地味で強い特徴のない、でも普通に見るとまあそこそこＯＫな感じの男の子。こういうタイプはいつもどのマンガやアニメで訳もなくもてますね。しかしその周囲に出て来るキャラがあまりに濃かったですし性格もキツかったですのでそういう汚れがないだけでも価値のあるものなんでしょうね、恐らく。一応は立派に主人公を務めていると思いました。この作品はギャグに意外と切れがあったのでスピーディに楽しめます。この辺りからちょっと歪んだだけのほのぼの学園ラブコメの路線を逸脱してくれていたので読み進めていて嬉しく思いました。